育成馬ブログ(宮崎②)

○ 馬に親しむ日の開催とサマーセール購買馬の入厩(宮崎)

 

 今回は少しさかのぼりますが、8月末に行われた「馬に親しむ日」とHBA

サマーセール購買馬の入厩について触れてみたいと思います。

 

●馬に親しむ日

 本年で第30回を迎えた「馬に親しむ日」は、8月26日に開催されました。

「馬に親しむ日」の名のとおり、乗馬試乗会、流鏑馬(やぶさめ)、ホース

ショー、ポニーショー、草競馬、そしてポニー競馬の他、第30回記念イベン

トとしてアンダルシアンホースダンスショーなど盛りだくさんのイベントが行

われました。特に、東京競馬場所属の人馬で繰り広げられたアンダルシアン

ホースダンスショーでは、後肢2本で立ち上がる「クールベット」など普段見

ることのないダイナミックな馬の動きに、お客様からは大きな歓声が上がって

いました。

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アンダルシアンホースダンスショーでの後肢2本で立ち上がる

「クールベット」の様子

 

 「第10回ジョッキーベイビーズ」の九州地区代表の切符をかけ、10頭が

参加したポニー競馬は、鹿児島県から参加の「ルナクイーン号」に騎乗した吉

永梨乃さん(小学5年生)が好位から抜け出し、九州地区代表の座に輝きまし

た。数年前と比べてもポニー競馬に参加した子供達の騎乗技術のレベルは上が

ってきており、来年はさらに熱い戦いが予想されます。

 

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ポニー競馬はルナクイーン号(3番赤)に騎乗した吉永梨乃さん

(小5)が優勝し、「第10回ジョッキーベイビーズ」の九州地区代表の座に

  輝きました。

 

 今年もスペシャルゲストとして、宮崎県三股町出身、宮崎育成牧場の乗馬スポ

ーツ少年団OGでもあり、名古屋競馬で活躍中の木之前騎手をお招きし、トーク

ショー、ポニー競馬のパドック解説のみならず、ポニー競馬の表彰式のプレゼ

ンターまでお願いしました。木之前騎手のポニー競馬に参加した騎手たちへの

声援と温かいまなざしは、とても印象的でした。

 

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スペシャルゲストの木之前騎手(右)から「第10回ジョッキーベイ

ビーズ」の招待状を受け取る優勝騎手の吉永梨乃さん(右から2番目)

 

 晴天に恵まれたとはいえ、日差しが強く気温の高い中、6,200名ものお客

様に来場していただきました。普段、馬とはあまり身近でないお客様が、この

ようなイベントを通じて馬と触れあうことによって、馬のみならず競馬への興

味を深めていただけたのではないかと思っております。ご来場いただきました

お客様、ならびにご協力いただきました関係者の皆様には、この場をお借りい

たしましてお礼申し上げます。

 

●サマーセール購買馬の入厩

 馬に親しむ日が終わると、育成業務が本格化します。北海道から44時間の

輸送を経て、8月31日には宮崎育成牧場所属の育成馬15頭が宮崎に到着し

ました。これにより、本年度の宮崎育成牧場繋養馬22頭(牡10頭、牝12

頭)が全て入厩いたしました。

 入厩後には、「神日本磐余彦天皇(神武天皇)」をご祭神とし、宮崎競馬場

誕生とも深い関わりのある「宮崎神宮」の権禰宜によって、人馬の安全を祈願

する入厩に関わる神事および馬場清め式を執り行っていただきました。神事当

日は晴天に恵まれ、厩舎および馬場のお祓いを受けるとともに、玉串を捧げて、

人馬が事故なく安全に調教を行えるように祈念いたしました。

 現在、牡は500m馬場でのハッキングでの騎乗が可能となり、牝はドライ

ビングを中心に騎乗馴致を実施しています。次号では騎乗馴致の様子をお伝え

しようと思います。

 

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「神武天皇」をご祭神としていることで知られている「宮崎神宮」の

権禰宜による「入厩神事」の様子

育成馬ブログ(宮崎①)

○1歳セリとJRA育成馬の入厩(宮崎)

 

●九州市場

 本年度の1歳セリは6月26日(火)に開催された九州市場からスタート

しました。九州市場では20頭が上場され、11頭が落札されました

(売却率:55%)。

 九州市場では本年から鹿児島大学獣医学部の協力により、レポジトリー

として16頭のレントゲン画像が公開され、来場した購買者からも好評でした。

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九州市場において購買した本年度のJRA育成馬第1号となった

プラチナアリュールの17(牝 父:フリオーソ)  

 

●八戸市場

  7月3日(火)に開催された八戸市場は、上場馬36頭のうち28頭が落札

 され、売却率は77.8%となりました。これは昨年(77.5%)の最高

 記録を更に塗り替える結果となりました。

●セレクトセール

  今や「日本一のセリ」にとどまらず、世界からも注目されるセリとなった

 「JRHAセレクトセール:1歳セリ」が7月9日(月)に

 「ノーザンホースパーク」で開催され、上場馬233頭のうち211頭が

 売却されました(売却率は90.6%)。新聞等による既報のとおり、

 売却総額および売却率ともに過去最高という結果となりました。

●セレクションセール

  7月セリの締めは、7月17日(火)に北海道静内町で開催された

 「HBAセレクションセール」でした。本年は193頭が上場され、

 149頭が売却されました(売却率は77.2%)。活発な競り合いが

 繰り広げられたセレクションセールでしたが、売却総額および売却率ともに

 過去最高を記録した昨年を下回る結果となりました。

  この要因としては、今年度は8月に選抜市場となる「サマープレミアム

 セール」が新設され、事実上、選抜市場が拡大分散されたことが挙げられて

 おり、「サマープレミアムセール」での巻き返しが期待されます。なお、JRAは

 九州市場において牝馬1頭、八戸市場において4頭(牡1頭、牝3頭)、

 セレクトセール(1歳)において3頭(牡1頭、牝2頭)、

 そしてセレクションセールにおいて11頭(牡7頭、牝4頭)を

 それぞれ購買しています。

 

●JRA育成馬の宮崎育成牧場への入厩

 7月22日には宮崎育成牧場に八戸市場で購買した4頭およびセレクション

セールで購買した2頭の合計6頭のJRA育成馬が入厩いたしました。

 

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北海道から宮崎到着した

ネオヴェリーフィズの17(牡 父:ショウナンカンプ)

  

 

 到着後は発熱馬も認めず、先に入厩していた九州産馬とともに全頭放牧する

ことができました。9月以降の「騎乗馴致」が始まるまでの間、成長を待ち

ながら、夜間放牧で管理したいと考えています。

 

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到着後に放牧地を疾走する牝の育成馬の群れ

育成馬ブログ 宮崎⑧

○「育成馬を知ろう会」と「育成馬展示会」(宮崎)

 

 宮崎では3月16日に高知に次いで全国で2番目に桜の開花が発表され、

昨年より17日も早い開花となりました。開花宣言がなされてからは

快晴の日々が続き、4月に入ってからは少し体を動かすと

汗をかいてしまうほどの暖かい日が多くなり、春爛漫となっています。

桜の見ごろは過ぎてしまいましたが、ブリーズアップセール上場のために、

まもなく宮崎を離れる育成馬とともに宮崎のベストシーズンとも

いわれている「短い春」を堪能しています。

 

 

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3月下旬に満開となった宮崎育成牧場公園内のソメイヨシノ

 

●育成馬を知ろう会

 4月2日には7年目を迎えた「育成馬を知ろう会」を開催いたしました。

事前に応募いただきましたJRAの馬主様、その中でも

馬主登録されてから3年未満の方に優先的に参加していただきました。

このイベントは馬主の皆様に“セリ市場に参加して馬を選択・購買する

楽しさ”をお伝えすることを趣旨としており、当日は「馬の見方」の

解説の後に、当場で乗馬として活躍している引退競走馬を教材にして

馬のコンフォメーションに関する理解を深めていただきました。

続いて、その知識を基にブリーズアップセール上場予定馬を

ご覧いただきました。

 

 

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「育成馬を知ろう会」では、実際に乗馬を教材にして

「コンフォメーション」の理解を深めていただきました。

 

 その他にも「セリにおけるレポジトリーの見方」、

「全国セリ市場の紹介」等、実際にセリ市場での購買時に

必要不可欠な知識に関する座学を実施しました。

そして、日程終了後には市内のホテルに会場を移して、

JRA調教師との交流を目的とした「馬主・調教師懇談会」が

開催されました。調教師が馬主の方々のテーブルを移動する

お見合い形式で進行したため、参加された馬主様は全調教師と

懇談することができ、盛況な懇談会となりました。

ご多忙中にもかかわらず、今回参加していただきました皆様方には、

この場をお借りしてお礼申し上げます。

 

 

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「セリにおけるレポジトリーの見方」に関する座学も行われました。

アンケートの結果からも参加者の興味は非常に高いように思われました。

 

 

●育成馬展示会

 翌日の4月3日には晴天の下で「育成馬展示会」が開催されました。

前日の「馬主・調教師懇談会」に参加していただきましたほとんどの方に

お越しいただきました。前日の懇談会で親交を深められた効果もあり、

ブリーズアップセール上場予定馬の比較展示では、馬主様と調教師が

お互いの意見を交わす場面も見受けられました。

 騎乗供覧は牡8頭、牝9頭の2班に分けて実施いたしました。

ブリーズアップセールに向けて最終調整段階の育成馬のスピード調教を

ご覧いただきました。仕上がりの早い馬あるいはそうでない馬等、

現状の個々の馬の状態を表現できたのではと思っております。

ブリーズアップセールまで残すところ10日となりましたが、

個々の馬の課題を少しでも解決できるよう取り組んでいきたいと思います。

 

 

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調教供覧において最速タイム(12.1-11.6秒/ハロン)で走行した

 左:No16 ラストワルツの16(牡 父:シンボリクリスエス)

 右:No67 モルフェスペシャルの16(牡 父:スクワートルスクワート)


YouTube: 育成馬日誌宮崎17-18⑧

 

 

 日高および宮崎両場の育成馬は4月17日(火)に中山競馬場に入厩します。

中山競馬場に滞在期間中、4月19日(木)から22日(日)は事前下見期間を

設けておりますので、ご自由に上場馬をご覧いただくことができます。

 また、セール前日の4月23日(月)には、前日展示会を開催いたします。

そして、4月24日(火)には中山競馬場で2018JRAブリーズアップ

セールを開催いたしますので、中山競馬場にご来場いただき、

セリにご参加いただければと思っております。

育成馬ブログ 宮崎⑦

○育成馬調教見学会(宮崎)


プロ野球のキャンプも2月をもって終了し、

夜の街も少し静かになったように感じる今日この頃です。

宮崎はプロ野球やサッカーJリーグのキャンプのメッカとなっていますが、

実は平昌オリンピックでメダルラッシュに沸いたスピードスケートの

ナショナルチームが基礎体力向上のための強化合宿を

オリンピック直前の1月に行っていました。

その中には中学生まで日高育成牧場内のスケートリンクで練習していた

小田卓朗選手とウイリアムソン師円選手もおりました。

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平昌オリンピックでの一場面

 

スピードスケートナショナルチームの一員として直前の強化合宿を

宮崎で実施して平昌オリンピックに出場した小田卓朗選手は

1000mと1500mで5位入賞。

また、箱根駅伝で総合4連覇を果たした青山学院大学陸上競技部も

2012年から毎年2月に春季合宿を行っています。

このような背景から、2020年東京オリンピックの直前合宿地として、

海外各国からも注目を集めています。

このような宮崎の地で、育成馬の調教を実施できるのは

恵まれていると改めて実感いたします。

●育成馬の近況

さて、宮崎育成牧場のJRA育成馬22頭は、4月24日(火)に

RA中山競馬場で開催されるブリーズアップセールに向けて

調教メニューをこなしています。

初めにウォーミングアップとして500m馬場でのハッキングを

実施しています。その後は1600m馬場に移動して、

通常は1列縦隊で20~18秒/ハロンのペースでの

1600mのステディキャンターを実施しています。

 

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週1回実施している牡馬の強調教時の様子

内:上場番号67番モルフェスペシャルの16(牡 父:スクワートルスクワート)

外:上場番号16番ラストワルツの16(牡 父:シンボリクリスエス)


また、週1回実施するスピード調教では、

1200mを2本走行させるインターバルトレーニングを実施し、

2本目に3ハロンを45秒(ハロン14~15秒)程度で走行しています。


YouTube: 育成馬日誌宮崎17 18⑦ 2

3月中旬に行われた調教動画

●育成馬見学会

宮崎育成牧場では、地元の一般来場者に普段は開放していない

育成馬厩舎地区を開放し、当場で繋養している育成馬を

間近でご覧いただけるイベントを年に3回開催しています。

10月と3月には育成馬の立ち姿をご覧いただく

「育成馬見学会」を開催し、特に3月には気に入った馬を

牡・牝それぞれ1頭ずつ選んでいただき、

その馬が中央競馬のレースで勝利すると、

ゴール前の写真をパネルにして贈呈する

「ドリームサポーターズクラブ」というイベントも実施しています。

本年は3月24日(土)14時から当場育成馬厩舎地区で

開催予定となっております。

 

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ドリームサポーターズクラブの登録馬が優勝した際に贈呈している写真パネル

.

また、2月には育成馬の疾走する姿を間近で見ることができる

「育成馬調教見学会」も企画しており、

本年の「育成馬調教見学会」は2月17日(土)に開催いたしました。

当日は天候にも恵まれたため、70名ものお客様にご来場いただきました。

お客様には、少し高台からブリーズアップセール上場予定馬が

疾走する蹄音や馬の息遣いを間近で感じていただきました。

ご参加いただきました方々には、この紙面をお借りして、

改めてお礼申し上げます。

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育成馬調教見学会には70名ものお客様にご来場いただきました

育成馬ブログ 宮崎⑥

この2週、平昌オリンピックの話題で盛り上がっていますが、

こちら南国宮崎では、初春の風物詩となっているプロ野球各球団のキャンプが

2月1日よりスタートし、盛り上がりを見せています。

なお、読売ジャイアンツが宮崎県営球場でキャンプを開始するようになってから

今年で60年目のメモリアルイヤーとなっております。

60年間もの長期間にわたって

一つの自治体でキャンプを継続した球団は他には例がなく、

さらに今年は昨年日本一に輝いたソフトバンクホークス、

セントラル・リーグを制した広島東洋カープ、

そしてオリックス・バッファローズ、埼玉西武ライオンスの合計5球団の他、

昨シーズン2冠に輝いたセレッソ大阪を筆頭に

サッカーJ1リーグの6チームが宮崎県内でキャンプを実施しています。

 

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ジャイアンツの宮崎キャンプ60周年を記念した特別企画の記念写真館

 

例年、キャンプが始まる頃から日中は春の陽気となることが多いのですが、

今年は寒さが厳しく、例年であればほとんど凍結しないダートコースが

2月に入ってからも凍結する日が続きました。

凍結した日は無理せずに軽調教で調整せざるを得ませんが、

馬にとっては良い休息になったと考えるようにしています。

2月中旬になってようやく暖かい日が続くようになってきました。

 

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凍結したダートコースをハロー掛けした後の凍結した砂の塊

 

○育成馬の近況

 

さて、宮崎育成牧場のJRA育成馬22頭の近況をお伝えいたします。

500mトラック馬場でのウォーミングアップを終えた後は、

3月からの本格的なスピード調教に向けて

1,600m馬場での調教強度を徐々に上げています。

通常は1列縦隊で20~18秒/ハロンのペースでの

1,600mのステディキャンターを実施していますが、

週に1回は普段とは異なるパターン、つまり、2頭あるいは3頭併走で

ラスト2ハロンを15秒/ハロンのペースでの強調教を開始しています。

休養していた馬の状態も上向いてきており、

ブリーズアップセールに向けて慎重に調整を続けたいと思っております。

 

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(写真左)通常調教となる1列縦隊でのキャンター

(写真右)週1回実施している強調教時の2頭併走

 


YouTube: 【動画】17-18宮崎育成馬日誌⑥

2月中旬の1,600mダートコースでの牡の調教動画

 

○日本獣医師会獣医学術学会年次大会

 

ここからは、2月12日(月)に開催されました

「日本獣医師会獣医学術学会年次大会」についてご紹介いたします。

この学術学会では「ウマを育てる-心技体-」というテーマで

日本産業動物獣医学会および日本ウマ科学会の

合同シンポジウムが開催されました。

座長に田浦先生(山口大学)および畠添先生(鹿児島大学)を迎え、

①「馬の身体を創る(松井朗:JRA日高育成牧場)」、

②「馬を躾ける(楠瀬良氏:日本装削蹄協会)」、

③「馬を鍛える(頃末憲治:JRA宮崎育成牧場)」、

④「馬の技を磨く(宮田朋典氏:カウボーイアップランチ)」

の4名の講演が行われました。

 

これらのなかでも、ホースクリニシャンとして知られている宮田氏の講演は、

なぜ馬が注射を打たれることを嫌うのか、

さらに注射を打つ際に体を押し付けて攻撃してくるようになるのは

どうしてなのかという理由について、

馬は本能的に逃避する方法を第一に選択するが、

逃げられないと判断したときには抵抗する方法を選択するという本能について

動画を織り交ぜながら、分かりやすく説明しており、

聴講していた獣医師の方々が何度も深くうなずく姿が印象的でした。

 

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ホースクリニシャンの宮田朋典氏の講演の様子

 

また、本来野生の馬は捕食者から逃げるために、

反射的に反応できる右脳を優位に働かせていると考えられており、

特にサラブレッドはその傾向が強く、

興奮しやすいともいわれているため、新規刺激を「危険なこと」と認識して、

逃げるという行動を取るのは自然なことあるということ。

一方、「危険でないこと」と認識させるためには、

主に思考を司る左脳を優位に働かせ、

馬に考えさせることが重要とのことでした。

つまり、野生の本能である右脳の優位性を排除して、

左脳の優位性を高めることこそが馬の調教であり、

そのための法則などはなく、

唯一重要なことは馬からのサインを読み取ることであると力説させており、

育成期の調教にも応用すべきであると感じることができました。

育成馬ブログ 宮崎⑤

●育成馬検査の実施について

 

1月下旬には、強い寒気が日本付近に流れ込み、

日本海側のみならず関東も大雪による被害に見舞われました。

首都圏での大雪による交通機関の混乱の様子を見ると、

改めて自然の猛威の怖さというものを感じずにはいられませんでした。

 

九州では大雪の被害こそ少ないものの、

台風による被害には警戒が高まります。

昨年9月の台風18号では大分県を中心に被害が著しく、

土砂災害の影響で日豊本線の一部区間が不通となりました。

復旧には約3ヵ月もの期間を要し、

昨年12月18日にようやく全線開通となりました。

これに伴い、北九州から宮崎方面への特急の運転も再開され、

代替ルートを運行していた豪華観光寝台列車「ななつ星」を

毎週水曜日の調教中に再び見ることができるようになりました。

宮崎神宮駅に近づくと鳴らされる大きな警笛を耳にすると、

被災地の復興への願いが込められているように感じずにはいられません。

 

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毎週水曜日の調教中に見ることができる「ななつ星」と育成馬

 

○育成馬の近況

 

宮崎育成牧場所属のJRA育成馬の近況をお伝えいたします。

最初にウォーミングアップとして500mトラック馬場で直線をキャンター、

コーナーを速歩という調教を左右3周ずつ実施しています。

 

その後は1,600mトラック馬場に場所を変えて、

一列縦隊で1,600mのステディキャンターを実施しています。

ハロン20秒程度のイーブンペースで走行し、基礎体力を付けるとともに、

馬群の中で落ち着いて走れることを目標に調教しています。

 

12月には深管骨瘤(第3中手骨の繋靭帯付着部における炎症)に起因する

跛行馬が散見されたとお伝えしましたが、

それらの馬も徐々に調教を再開しております。

 

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1,600m馬場において一列でのキャンターを実施する2群牝馬

 


YouTube: 【動画】育成馬日誌宮崎17-18⑤

1月下旬の1,600mダートコースでの調教動画

 

 

○育成馬検査

 

1月中旬には育成馬検査が実施されました。

育成馬検査とはJRA生産育成対策室の獣医職員が

日高および宮崎育成牧場で繋養している育成馬の

市場での購買時からの馬体の成長程度

および調教進度状況などをチェックする検査のことです。

今回の検査を基にして、

4月に開催されるブリーズアップセールの上場番号が決定されます。

 

検査は2日間かけて実施され、

初日は育成馬の展示を中心に馬体の確認が行われました。

この時期にしては天候に恵まれ、

緊張感漂う中、育成馬の展示が行われました。

検査と同時に、手入れやトリミングのみならず、

展示のハンドリングを含めた「ベストターンドアウト賞」の審査も行われ、

牡牝それぞれの最優秀馬が選ばれました。

 

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育成馬検査の展示の様子

 

翌日は小雨の降る中、各馬の調教進度状況の確認が行われました。

前述したとおり順調ではない馬もおりましたが、

今後の調教に関するアドバイス等をいただき、無事に検査が終了しました。

 

今回の検査を通して、

個々の馬の発育および調教進度状況を再認識することができました。

また、4月24日(火)に開催されるブリーズアップセール

およびこれに先立つ4月初旬の育成馬展示会のためのみならず、

馬主、調教師、牧場関係者などのお客様の来場に備えて、

馬を展示し、見ていただくという姿勢を再確認する機会にもなりました。

 

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育成馬検査における「ベストターンドアウト賞」の審査で最優秀馬に選ばれた

シーアクトレスの16(写真左 牡 父:アドマイヤムーン)と

マイネカプリースの16(写真右 牝 父:クロフネ)

育成馬ブログ 宮崎④

●本年もよろしくお願いいたします

 

宮崎育成牧場から本年最初の投稿となります。

昨年に引き続き「JRA育成馬日誌」をよろしくお願いいたします。

今冬は北海道を中心として全国的に11月後半から平年よりも気温が低く、

厳しい冬となっています。

南国宮崎も例外ではなく、朝夕の冷え込みは昨年よりも厳しく、

温度計が氷点下近くを示す日も少なくありません。

 

○育成馬の近況

 

宮崎育成牧場所属のJRA育成馬の近況をお伝えいたします。

初にウォーミングアップとして500mトラック馬場で直線をキャンター、

コーナーを速歩という調教を左右3周ずつ実施しています。

その後は1600mトラック馬場に場所を変えて、

一列縦隊で1200m、そして二列縦隊で1600m、

合計2800mのキャンターを実施しています。

当初の計画では、昨年の同時期と同様に

合計3600mのキャンターを予定しておりましたが、

深管骨瘤(第3中手骨の繋靭帯付着部における炎症)に起因する

跛行馬が散見されたため、

例年よりも走行距離およびスピードを抑えて調教を実施している状況です。

 

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写真① 1600m馬場での調教風景(左:牡、右:牝)。

昨年よりも強度を抑えて調教を実施しています。

 

前年よりも運動強度を抑えて慎重に調教を実施しているにもかかわらず、

跛行馬の発症頭数が増加している現状を鑑みると、

育成馬の調教とは個々の馬を観察して、

その馬に合わせた調教負荷を課さなければならないということを

再認識することができました。

負荷をかけなければ故障を発症するリスクは軽減されるものの、

十分なトレーニング効果は得られないということを理解しつつ、

競走馬としてデビューするまでには

十分な時間があるのではと自問自答しながら、

「急がば回れ」の格言のとおり調教を進めていきたいと思っております。

 

12月下旬の1600mダートコースでの牡の調教動画

 

○競馬セミナー

 

さて、宮崎育成牧場は日高育成牧場とは異なり、

牧場内に利用者登録制の「ウインズ宮崎」が併設されており、

馬券(勝馬投票券)を購入して競馬を楽しんで頂くことができます。

実は宮崎県は民放テレビ局が2局しかなく、

日曜日の15時からフジテレビ系列で放送されている

JRAの競馬中継を見ることができない

全国でも数少ない一部の地域に該当しているため、

競馬に対する馴染みが薄い状況が課題となっていました。

この状況を打開するために、

2016年1月よりAMラジオ放送局である

宮崎放送(MRTラジオ)において

日曜日の15時から「GOGO競馬サンデー!」が

放送されるようになりました。

 

このご縁もあり、多くの方に競馬を楽しんで頂くことを趣旨として、

MRTさん主催の競馬セミナーを有馬記念の前日に開催いたしました。

当日は抽選で当選された30名ものお客様をお招きして、

MRTの瀬藤アナウンサーの進行で、

当場の職員による馬の基礎知識、競馬の基礎知識、

出産から競走馬になるまで等の

「馬学講座」および「馬券の買い方」に関する座学を実施した後、

実際に馬券を購入して

阪神カップ(G2)などのレースを楽しんで頂きました。

 

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MRTの瀬藤アナウンサー(右)の進行で行われた

競馬セミナーにおける「馬学講座」の様子

 

メインレースの阪神カップでは人気馬が上位に入ったことも手伝い、

見事に単勝やワイドなどで的中された方がいらっしゃいました。

最後は瀬藤アナを含めた参加者全員で有馬記念の予想をして、

前日発売馬券を購入後に解散となりました。

参加者の中には的中馬券を購入されていた方も見受けられましたので、

見事にクリスマスプレゼントを手にされたものと思われます。

 

実際に競馬ファンの皆様と触れ合う機会を得ることによって、

馬というのはファンの皆様に支えられて

成り立っているというのを実感することができました。

この気持を忘れずに育成業務にも励んでいきたいと思います。

育成馬ブログ 宮崎③

●期待馬の紹介(マイネカプリースの16)(宮崎)

 

11月上旬までは日中に暑いと感じることもあった南国宮崎でも、

11月中旬以降は最低気温が10℃を下回る日も散見されるようになり、

冬を迎えようとしています。

気温の低下に伴い、育成馬も夜間放牧を終了し、

昼放牧に管理方法を変更しています。

冬を迎えつつあるとはいえ、日中は暖かいと感じる日も多く、

育成馬達は調教後には、

放牧地あるいはパドックでの1~2時間の放牧によって

調教の疲れを癒しています。

 

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写真① パドック放牧でリラックスする

ガルネリの16(牡 父:ロージズインメイ)

 

○育成馬の近況

 

宮崎育成牧場所属のJRA育成馬の近況をお伝えいたします。

9月上旬から騎乗馴致を開始している1群(牡馬10頭)は、

角馬場でのウォーミングアップ、

500mトラック馬場でのハッキングを実施し、

その後1600mトラック馬場に場所を変えて、

一列縦隊で1600m、そして二列縦隊で1600m、

合計3200mのキャンターを実施しています。

スピードはハロン24秒程度とゆっくりとしたキャンターですが、

年内は落ち着いて真っ直ぐ走行させることを主眼に置いて

調教を進めていきたいと考えています。

 

一方、10月上旬から騎乗馴致を開始している2群(牝馬12頭)は、

牡同様に角馬場でのウォーミングアップ、

500mトラック馬場でのハッキングを実施し、

その後1600mトラック馬場において、

一列縦隊で1200m、そして二列縦隊で1600m、

合計2800mのキャンターを実施しています。

スピードはハロン26秒程度と牡よりもスピードを抑えています。

 

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写真② 1600m馬場での調教風景(左:牡、右:牝)。

年内は落ち着いて真っ直ぐ走行させることを主眼に置いて

調教を進めていきます。

 

○マイネカプリースの16

 

さて、今回は本年の宮崎育成牧場繋養馬のなかでも、

兄がG1タイトルを獲得している期待馬を紹介させていただきます。

その馬の名前は「マイネカプリースの16」です。

 

ご存じのように、

育成馬は母馬の名前に生まれた年代をつけた名前で管理され、

この馬であれば、

「マイネカプリース」という馬の2016年産駒ということになります。

馬は単胎動物で1年に1頭の出産が一般的であるため、

競走馬として馬名登録が完了するまでの育成期には、

このような仮の名前で管理されるのが通例となっています。

 

本題に戻りますが、

本馬の兄は2014年のスプリンターズS(G1)を制し、

現在も短距離路線で活躍中の

スノードラゴン(父:アドマイヤコジーン)です。

父はクロフネと異父兄妹になりますが、兄同様に芦毛であり、

当場にG1馬の弟妹が入厩することはほとんどないことからも

期待が高まります。

 

本馬は7月のHBAセレクションセールにおいて756万円で購買し、

7月下旬に宮崎育成牧場に入厩しました。

騎乗馴致を開始した10月上旬までの約2か月間は、

夜間放牧管理で宮崎の環境に慣らすとともに成長を待ちました。

その甲斐あって、入厩時に400kgであった体重は、

10月上旬には430kgにまで増加し、

一回り大きくなった印象を受けました。

 

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写真③ マイネカプリースの16のセリ上場前の6月(左)と

入厩後の9月(右)の写真の比較。

入厩後約2ヶ月で体重は30kgも増加しました。

 

入厩時には馬房に入るのを嫌い、引き運動時にも突然停止し、

前進しなくなるということも多々あり、

少し頑固な性格ではないかと心配しました。

しかし、騎乗馴致を開始すると、初日から停止の合図を理解し、

腹帯や臀部へのレーンの刺激にも過度な反応はなく、

ドライビングから騎乗まで順調に進み、

非常に理解力のある賢い馬だということが分かりました。

 

マイネカプリースの16の初期馴致動画

 

現在は、柔軟性に富んだストライドの大きなキャンターを見せており、

当場に入厩した当初よりも期待が膨らんでおります。

BUセールでも注目の1頭となるように

トレーニングを積んでいきたいと思いますので、ご期待ください。

 

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写真④ 放牧地での各個騎乗において

騎乗者の指示に従順なマイネカプリースの16

育成馬ブログ 宮崎②

●雨天時の夜間放牧が馬体重に及ぼす影響(宮崎)

 

○育成馬の近況

 

2群に分けて騎乗馴致を進めている育成馬の近況をお伝えいたします。

9月上旬から騎乗馴致を開始している1群(牡馬10頭)は、

最初の3週間はドライビング中心に馴致メニューを組み、

現在は500m馬場において速歩および

ハッキング程度を行えるまでになっています。

11月からは1600m馬場でのキャンター調教を実施する予定です。

 

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写真① 500m馬場で隊列を整えた速歩を実施する1群牡の育成馬

 

1群牡のドライビング動画

  

一方、10月上旬から騎乗馴致を開始している2群(牝馬12頭)は、

ドライビングを開始したところです。

11月からは角馬場において集団での速歩調教を開始する予定です。

 

○夜間放牧の1歳馬を襲った豪雨

 

馬を管理していると、雨や雪などの悪天候時に放牧すべきか

舎飼いにすべきか頭を悩ます時があります。

予報とは異なって、夜中に雨が屋根を襲う音で目覚め、

放牧している馬を集牧した経験をお持ちの方も

少なくないのではと思われます。

今回は天気予報と大幅に異なる豪雨に見舞われた際に、

夜間放牧を実施していた馬の体重の変化について触れてみたいと思います。

 

事の経緯は、日本列島に甚大な被害を及ぼした台風18号が

9月17日朝に宮崎に直撃するという予報、

および15日夕方から16日朝までの降雨量は

最大で10mm/h未満という予報を鑑みて、降雨量はいくらか多いが、

48時間の馬房内管理となることは回避すべきとの判断を下し、

15日夕方から夜間放牧を実施したことから始まりました。

 

しかし、上記の予報に反して、

台風18号が秋雨前線を刺激した影響を受け、

15日23時以降から降水量が10mm/hを超え、

16日6時には最大となる34mm/hの豪雨を認めました。

なお、16日0時からの1時間あたりの降水量は下図のとおりであり、

放牧中の総雨量は約250mmに達しました。

 

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図① 9月16日未明から午前中の降水量

(日本気象協会 tenki.jp より)

 

6時の時点において、目視で全馬の異常を認めなかったこと、

また、激しい豪雨および放牧地から厩舎への馬道が冠水しており、

人馬の安全を考えた場合には集牧可能な状況でなかったこと、

さらに前日の13時に馬体重測定を実施していたことから、

豪雨時の放牧が馬体重に及ぼす影響を把握するため、

集牧を前日の馬体重測定時刻である13時に行い、

馬体重を測定することとしました。

 

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写真② 豪雨による馬場および馬道の冠水

 

○豪雨により馬体重は減ったか?

 

放牧前後において馬体重の減少を認めたのは1頭のみ(-1kg)であり、

その他の21頭は増加を認め、

そのうち4頭(牡牝それぞれ2頭)は10kg以上増加していました。

平均増加量は6.6kg(牡:6.4kg、牝:6.8kg)でした。

なお、集牧直後の体温については39.5℃が最も高く、

5頭が39℃を超えており、これらは全て牝馬でした。

これらの馬は治療することなく、翌日には平熱に復しました。

 

体重増加の原因は不明ですが、集牧の1時間前には雨は止んでいたため、

測定時には馬体はほぼ乾いており、

汗コキを用いて水分を取り除くことは困難な状態であったことから、

体重増加が馬体に含まれた水分に起因することは否定されました。

GPSを装着していなかったために推測の域を出ませんが、

豪雨のために放牧地での運動量が大幅に減少したため、

エネルギー消費が減少したことが原因の一つとして挙げられます。

その他、体重測定の直前まで青草を摂取していたために

水分摂取量が増加したこと、また牡に関しては、

馴致を実施しなかったことも一因であるものと推測されます。

 

事前に総雨量が250mmにも達することが分かっていれば、

必ず舎飼いを行っている程、

また夜中も集牧すべきではないかと自問自答する程の豪雨であったため、

体力消耗に伴って体重が減少しているものと推測していましたが、

ほとんどの馬が増加する結果となりました。

馬は元来、草原で暮らす動物であるため、

夜間放牧の環境に慣れさえすれば、

降雨による影響は私たちが想像しているほどではないのかもしれません。

 

そういえば、アイルランドでの研修中に、

昼夜放牧を実施している馬の管理の秘訣は、

馬体の油を落とさないことであり、

そのためにシャンプーはもちろん真冬でも

お湯で馬体を洗浄することは避けなければならず、

馬の手入れの基本はブラッシングであるといわれたことを思い出しました。

私達が馬のために良かれと思って実施している

シャンプーやお湯での洗浄は、

実は馬の自然の抵抗力を減退させているのかもしれません。

セリで美しい馬体の馬ほど、購買後に夜間放牧を実施すると、

皮膚炎を発症しやすいということも関係があるのかもしれません。

 

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写真③ 夜間放牧管理では馬体の油が不可欠なのかもしれません

(写真はアイルランドの夜間放牧の様子)

育成馬ブログ 宮崎①

○1歳セリとJRA育成馬の入厩(宮崎)

 

●1歳セリについて

 

本年度の1歳セリは6月27日(火)に開催された

九州市場からスタートしました。

九州市場では15頭が上場され、

8頭が落札されました(売却率:53.3%)。

 

続いて開催された八戸市場は、上場馬40頭のうち31頭が落札され、

過去最高であった昨年の売却率(61.9%)を大きく上回る

77.5%の売却率となりました。

 

この要因として、馬セリ市場の好景気および

キョウエイギア号やミライヘノツバサ号など

近年の青森産馬の活躍はもちろんのこと、

それ以外にも昨年は60%であったノド(上気道)の内視鏡動画や

四肢のレントゲン写真などのレポジトリーの提出率が、

本年は90%にまで上昇したように、

関係者の情報開示への取り組みも要因のひとつとして挙げられます。

 

北海道で最初の1歳セリとなったのは、

今や「日本一のセリ」にとどまらず、

「世界でも有数のセリ」となった「JRHAセレクトセール」でした。

北海道の苫小牧市の「ノーザンホースパーク」において、

7月10日(月)に開催され、

上場馬242頭のうち216頭が売却されました(売却率は89.3%)。

新聞等による既報のとおり、

売却総額および売却率ともに過去最高という結果となりました。

 

7月セリの締めは、7月18日(火)に

北海道静内町で開催された「HBAセレクションセール」でした。

本年は226頭が上場され、

184頭が売却されました(売却率は81.4%)。

セレクションセールでも活発な競り合いが繰り広げられ、

売却総額および売却率ともに過去最高という結果となりました。

 

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写真1.九州市場において購買した本年度のJRA育成馬

第1号となったデンコウブルーの16(牝 父:アルデバラン)

【JBBA日本軽種馬協会様提供】

 

なお、JRAは九州市場において牝馬1頭(写真1)を、

八戸市場において3頭(牡2頭、牝1頭)を、

セレクトセール(1歳)において4頭(牡2頭、牝2頭)を、

そしてセレクションセールにおいて13頭(牡:6頭、牝:7頭)を

それぞれ購買しています。

 

いずれの1歳市場も多くのお客様が参加されており、

非常に盛況な印象を受けました。

このセリにおける盛り上がりは、

競馬産業全体を盛り上げていく活力となるように感じました。

 

 

●JRA育成馬の宮崎育成牧場への入厩

 

前述のJRAが購買した馬の中から、九州市場で購買した1頭、

八戸市場で購買した3頭およびセレクションセールで購買した3頭の

合計7頭が7月23日(日)に宮崎育成牧場に入厩いたしました。

 

セレクションセールで購買した3頭を乗せた馬運車は、

7月20日(木)の14時に北海道静内を出発し、

函館から青森間のフェリー経由で本州に渡り、

7月21日(金)の5時に八戸において八戸市場で購買した3頭を積み、

新潟競馬場に14時に到着いたしました。

 

北海道から宮崎への輸送は44時間にも及ぶため、途中、

新潟競馬場において1泊の休憩を挟んでから宮崎育成牧場へ向かいます。

新潟競馬場の厩舎では、馬達は最初のうちは落ち着きませんでしたが、

徐々に慣れ、寝藁の敷かれた馬房で長時間輸送の疲れを

癒しているように見えました(写真2)。

 

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写真2.新潟競馬場で一夜を過ごしてリラックスしている3頭の牝の育成馬

 

翌日の10時に新潟競馬場を出発し、

日付が変わる頃に関門海峡を渡り、7月23日(日)の8時30分に

無事に宮崎育成牧場に到着しました(写真3)。

 

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写真3.北海道からの長旅を終えて馬運車から降りる

マイネカプリースの16(牝:父クロフネ)

 

到着後には微熱を認める馬もいましたが、大事には至らず、

全頭放牧することができました。

セリ上場のために個体管理が行われていた馬達は、

元気良く放牧地内を疾走します(写真4)。

9月以降の「騎乗馴致」が始まるまでの間、

成長を待つとともに「群れで生きる草食動物」として

「馬」らしく管理したいと考えています。

 

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写真4.宮崎競馬場の遺構である一等馬見所をバックに

放牧地を疾走する3頭の牡の育成馬の群れ。