2019年6月20日 (木)

新人研修が行われました

分子生物研究室の辻村です。

梅雨入りで天候が落ち着かない6月、JRAでは例年この時期に新人獣医職職員を対象とした専門研修を実施しています。獣医職職員が勤務するJRAの各事業所を訪れる本研修ですが、競走馬総合研究所でも本年6月4日から20日にかけて講義・実習が行われました。その内容は、運動生理学、臨床医学、病理学、細菌学と多岐にわたり、私が所属する分子生物研究室はウイルス学を担当しました。普段は臨床現場で奮闘している新人獣医職職員の皆さんに、ウイルス学の研修では学生時代のように座学や実験に取り組んでいただきました。馬のウイルス感染症は日常的に遭遇するものではありませんが、発生した場合には大きな被害を及ぼす可能性があります。そのような際に今回の研修が役立つことを願っています。

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2019年6月13日 (木)

「夏休み♪こども馬学講座」を開催します!

総務課の髙橋です。

昨年に引き続き、小学校高学年生向けのイベントを開催いたします!

 「夏休み♪こども馬学講座」

   詳細はこちら → http://jra.jp/news/201906/061301.html

前回が初めての開催でしたが、大変多くの方にご応募いただきました。

また参加された方からも、ありがたいことにご好評のお声をいただいております。

お子様との思い出作りにいかがでしょうか?

たくさんのご応募お待ちしております!

2019年5月28日 (火)

麦秋の季節

臨床医学研究室 高橋です。

北関東の一角を占める栃木県は、米と麦の二毛作地帯です。作られている麦は、小麦や二条大麦、六条大麦で、二条大麦はビール麦とも呼ばれビールの原料になります。競走馬総合研究所のある下野市周辺では、田植えを終わった水田の中に黄色く色づいた麦畑が広がっています。冬に植えられた麦は、春に成長して5月から6月にかけて実がなり、黄色に色づき、収穫の時を迎えます。米が秋に収穫を迎えるように、この時期は、麦が収穫されるので、麦にとっての“秋”であるため麦秋と呼ばれます。今週は、東京競馬場で安田記念が行われますが、麦秋ステークスもあります。麦秋の風景は北海道が有名ですが、北関東の風景も思い出してください。

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2019年5月21日 (火)

競走馬の生まれ月と勝ち上がり率

臨床医学研究室の三田です。

最近、息子が保育園に入園しました。

同じクラスの子供達の間でも成長に差がみられてとても興味深いですね。

スタスタ歩いている子もいれば、まだおぼつかない子もいたり。上手におしゃべりできる子もいればそうでない子もいたり。

生まれた月が違うのでこのような成長の差は当たり前だと思いますが、競走馬の世界ではこのような傾向はあるのでしょうか。

このような考察は以前からされており、本会のホームページでも紹介されています(https://umabi.jp/news/126)。

この記事では2歳の重賞成績が生まれ月とどのような関係があるのかを調査していますが、今回のブログでは勝ち上がり率との関係を調べましたのでご紹介します。

本会の競馬番組上、3歳の秋には未勝利競走が終わってしまいますので勝ち星を1つ以上あげられるかは競走馬にとってとても重要です。

JRAに登録された2016年生まれ(現3歳)限定のデータですが、生まれ月と勝ち上がり率の関係はグラフの通りでした(7月以降に産まれた馬は頭数が少ないので省略しています)。

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1~5月は概ね20%以上の勝ち上がり率があり、1月から5月にかけて少しずつ勝ち上がり率が低下していました。単年度の結果であることに加えて、他にも様々な要因があるのでこのデータだけで結論づけることは難しいですが、競走馬にも人と同じような傾向があるのかもしれません。

ちなみに、今週は日本ダービー!

過去40年の勝馬の誕生月はグラフの通りになっています。

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2019年5月 9日 (木)

バーリ大学と共同研究始めます。

運動科学研究室の大村です。

今年からイタリアのバーリ大学とより良い馬の輸送方法について共同で研究することになりました。総研での輸送に関する研究は25年前にも行われています。この25年間で研究手法もかなり向上しており、新たなアプローチで取り組んでいけるのではないかと考えています。今回、この研究打ち合せのためバーリ大学に行ってきました。

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バーリ大学はイタリア南部、地中海に突き出た位置にあります。このため、その動物病院には馬や犬、猫だけでなく、ウミガメがやってきていました。ここに持ち込まれるほとんどのウミガメは、トロール網や釣り針によって傷を負った状態でした。胃から巨大なプラスチックを摘出することもあるそうで、海洋汚染を身近に感じるとのことでした。過去4年間で、900匹以上のウミガメが入院し、92%が海に返されているそうです。お土地柄、動物診療の特色を感じることができました。

2019年4月22日 (月)

馬インフルエンザワクチンに関する国際会議

 分子生物研究室の根本です。4月4日にフランスのパリにある国際獣疫事務局(OIE)において開催されました、馬インフルエンザワクチンに関する国際会議に出席してきました。この会議は毎年2月から4月頃に開催されています。日本では馬インフルエンザが2007年に流行し、その影響で競馬開催が1週間中止となりました。以降幸いなことに日本では流行していませんが、海外では流行が続いており、本年2月には馬インフルエンザウイルスの流行によってイギリスで競馬開催が中止となったことが大きな話題となりました。

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 馬インフルエンザの最も重要な対策はワクチン接種です。しかし馬インフルエンザウイルスもヒトインフルエンザウイルス同様に変異が激しいことから、必要に応じて定期的にワクチンに含めるウイルス(ワクチン株)を変更する必要があります。この会議の目的は、世界各国における馬インフルエンザの流行状況や流行ウイルスに関する情報を持ち寄り、解析の上、推奨ワクチン株を決定することです。これまで我々は、得られた研究内容をこの会議に提供し、推奨ワクチン株の決定に貢献してきました。よりよいワクチンが提供できるように、今後も取り組んでいきたいと考えています。

2019年4月10日 (水)

花の雨、ならぬ・・・

総務課の高橋です。

関東地方に寒波が襲来していますが、栃木県にある当研究所でも、こんな不思議な光景が・・・

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ちょっとわかりにくいかもしれませんが、ほぼ満開の桜と、雪のコラボレーション。

今は雪も止んでしまったのですが、もし夜に照明が当たっていたら、それはもう綺麗なのだろうと思います。

が、これだけ気温が上がり下がりしていると、体調の維持も難しいです。

本当の春、待ち遠しいですね・・・

2019年3月26日 (火)

花粉症と抗ヒスタミン剤と馬

臨床医学研究室の黒田です。

花粉症真っ只中の季節ですが、皆さんは花粉症いかがでしょうか?

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私は発症しておりますので、マスクもしくは薬で乗り切っております。この花粉症の薬は、抗アレルギー薬の中でも、アレルギー反応の中心である物質「ヒスタミン」の体中の受容体をブロックする抗ヒスタミン薬が一般的で、私もフェキソフェナジンという物質の薬剤を飲んでいます。

この抗ヒスタミン薬の主な副作用には眠気があります。これはヒスタミンが脳内の活動にも関与していて、薬が脳内のヒスタミン受容体もブロックしてしまうために起こります。ヒトの論文では、第1世代と呼ばれる古い薬品ほど、脳内の活動を抑えてしまいますので眠気が強く、現在これらの第1世代の抗ヒスタミン薬は逆に睡眠導入薬として販売されています。第2世代の抗ヒスタミン薬は比較的眠気が出にくいのですが、眠気が出やすい人もいます。この抗ヒスタミン薬は個人差も大きくて、薬と人との相性があるようですので、色々試して自分に合った薬品を見つける必要があるそうです。

ちなみに、馬の蕁麻疹(写真)などのアレルギー疾患でもこれらは使われております。私が使っているフェキソフェナジンは馬では腸管から体の中に吸収されないので、錠剤での投与に効果がないことがわかっております。既報において効果が期待されるのはオロパタジンやセチリジンという抗ヒスタミン薬になります。

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馬がこの薬で眠気を感じるかどうかはわかっていませんが、私が行った実験で、眠気の強い第1世代の抗ヒスタミン薬を馬に投与しても、眠気は見られませんでした。実際に治療で使ってもそのような症状は見られていないので、馬の脳内にはあまりヒスタミン受容体がないのかもしれません。

もう少し花粉の季節は続きますが、頑張って乗り切りましょう。

2019年3月10日 (日)

競走馬リハビリテーションセンター見学ツアー(再掲)

総務課の髙橋です。

以前もご紹介した競走馬リハビリテーションセンター見学ツアーですが、

お陰様でたくさんのご応募をいただいており、最終回は定員に達しました!

初回、第2回も、まもなく締切日となります。

ご興味のある方は、ぜひ詳細をご覧ください!!

 詳細はこちらJRAホームぺージ

2019年2月18日 (月)

平成30年度後期学位論文発表会@山口大学

微生物研究室の丹羽です。

JRA競走馬総合研究所では馬医療の発展・普及のためにいくつかの獣医系大学の大学院と連携機関として協定を締結しています。現在、JRAでは3名の研究者が、山口大学大学院共同獣医学研究科で主指導教員の資格を持ち、大学院での講義や博士課程の学生指導に参画しています。

去る1月29日に、山口大学で行われた学位論文発表の審査員(副査)として参加しましたので、そのことについてご紹介します。

通常、博士となるには学士(学部:4年間)、修士(大学院前期:2年間)、博士(大学院後期:3年間)の9年間の教育課程を経ますが、獣医では学士(6年間)、修士課程はなく博士過程(4年間)の計10年間の教育課程となります。今回、ご紹介する学位論文発表会は、この長い教育課程を終了し博士を目指す研究者の卵達にとって最後の関門です。

今回は、2名の学生の発表について審査を行ってきました。それぞれ、ヒトへの感染の恐れのある野兎病菌、社会問題となっている薬剤耐性菌に関する発表でしたが、審査を行う立場でありながら、自分自身にとっても大変勉強となる内容でした。

もちろん、お二人とも審査に無事合格し、来春からは博士として研究や獣医臨床の場で活躍される予定です。昔から博士号は「足の裏の米粒(研究者にとっては取らないと気持ち悪いが、とっても食えない)」と言われていましたが、これからの獣医学の発展に博士号の存在は不可欠だと感じさせる発表会でした。

 

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山口大学の最寄り駅は「湯田温泉駅」。

いかにも風情のある駅舎ですが、大学の施設は立派です。