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2021年9月

2021年9月29日 (水)

研究馬の離厩

臨床医学研究室 黒田です。

 

長年、総研臨床医学研究室を支えてくれました研究馬ウルフ号が離厩しました。

2016年に総研に来てから、6年もの長きにわたり各種研究に御協力していただきました。特に、私が行っている抗菌薬の血漿中濃度を測定する実験において欠かせない存在で、競走馬の感染症治療法の確立に貢献していただきました。

大変大人しい性格から、学生実習や獣医新人研修も彼であれば安全に行うことができました。6年間、彼が見てきた新人獣医師が、すでに現場の第1線で活躍していることを考えると感慨深いものがあります。

行き先は宇都宮馬事公苑で、リトレーニングを行い乗用馬もしくは競馬場の誘導馬を目指すとのことです。彼にとっては、競走馬、研究馬に続く第3の馬生になります。大変よく食べる子で、入厩当初500kgだった体重は550kgを超え、元気一杯です。性格も良いので乗用馬としても活躍してくれると思っております。数年後もし競馬場で見かけるようでしたら、是非とも応援してあげてください

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2021年9月25日 (土)

競走馬の平均体重は470kg

こんにちは、運動科学研究室の吉田です。
今日は当研究室で扱っている過去のデータから馬体重について調べてみました。
2011年からの10年間でJRAの平地競走に出走したのべ47万頭以上のデータからその平均体重は470kgでした。
ちなみにオスの平均は480kg、メスの平均は455kgでした。
単純に人間に置き換えてみると男性61kg、女性58kg ってとこでしょうか。
男女差はそれほどないみたいですね。

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「サラブレッド競走馬の体重の季節的変動」については、2002~2014年の約64万頭のデータをもとに、BMC Veterinary Researchに論文投稿されていますので、興味のある方はこちらもご覧ください。
Seasonal fluctuations in body weight during growth of Thoroughbred racehorses during their athletic career(外部リンク:英文)

2021年9月10日 (金)

多血小板血漿(PRP)治療とは・・・

臨床医学研究室の福田です。

最近はすっかり暑さも和らぎ、研究所内でもとんぼがたくさん飛んで、すっかり秋の気配です。

今年の夏は少々短かったように思いますが、ステイホームのせいでしょうかねえ。

さて、今回は現在当研究室で行われている研究内容についてお話させていただきます。

臨床医学研究室では競走馬が直面する治療困難な疾病(例えば、屈腱炎、蹄葉炎、肺炎)に対する新しい治療法に関する研究を行っています。

詳しくは研究室紹介をご覧ください。

私は現在、多血小板血漿(PRP)治療についての研究をメインに行っています。

PRPは患者自身の血液から作られますが、PRPの中には炎症を抑えたり疾病治癒を促進させたりする成分が大量に含まれています。

最近人の臨床では、現楽天の田中将大投手や大リーグの大谷翔平選手がひじの治療に使ったことで話題になりました。

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こちらは遠心分離機を使って馬の血液を濃縮して作られたPRPです。オレンジ色の液体です。

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このPRPにカルシウムを加えると、このようにゼリー状になります。不思議ですね。

人では液体のPRPを関節の中に投与したり、腱・靭帯に直接投与するケースが多く報告されています。さらに、ゼリー状にして傷口に当てることで傷の治癒が促進されることもわかっています。

馬でも外傷に対しては同じような治癒促進効果が確認されています。

今後もPRP治療のさらなる可能性を探っていきたいと思います。

免許更新

微生物研究室の越智です。

免許の更新といえば,自動車免許が思いつくと思います。
先日,私も免許(実際には専門医資格)を更新してもらいました。

人のお医者さんには,様々な専門制度がありますが,獣医にもいくつかあります。例えば,獣医内科専門医,小動物外科専門医,馬専門医などです。これらの資格を取得するには,実務経験などの条件を満たした上で,筆記・実技試験に合格する必要があります。

私の持っている日本獣医病理学専門家協会認定医は5年毎に更新となり,それにも条件があります。5年間に投稿した論文数,勉強会や学会への参加数,学会での発表会するなど,十分な自己研鑽を行なっていないと,更新が認められません。次回も何事もなく更新できるように,努力していきたいと思います。

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