プール最終日

本日プール最終日となりました

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ちょっとトラブルもあり、2頭しかプール調教する馬がいなかったので

寂しい最終日となってしまいましたが

なかなか入りたがらない馬もいて、最後まで気の抜けないプール調教でした

 

この馬が、最後まで手こずらせた張本人

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私も危うく蹴りを食らうところでしたが、何とか入水

入ってしまえばいい泳ぎをするんですが、最後までプールは嫌いだったようです

 

ところで今更ながら、馬はどんな風に泳いでいると思いますか

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ちょっとわかりにくいとは思いますが

右前肢と右後肢を同時に掻き

左前肢と左後肢を同時に掻き

左右交互に掻いて泳いでいます

 

簡単に言えば犬掻きですが

私たちはよく、「側対歩様に泳いでいます」と説明しています

 

馬の地上での歩きは、普通

常歩(なみあし)、速歩(はやあし)、駈歩(かけあし)

の3種類に分類されます

 

この中で2拍子の歩きをするのが速歩です

 

その速歩ですが、通常はこのように

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右前肢と左後肢、左前肢と右後肢を同時に動かす

「斜対歩」という歩きをします

 

これに対し

右前肢と右後肢、左前肢と左後肢を同時に動かすのが

「側対歩」という歩きになります

ラクダやキリンなど大型の哺乳動物にみられる歩きです

上下動が少なく、弓を射るのに適しているとも言われ

戦国時代や古馬術では、側対歩で走っていたようです

 

その歩き方と同じ肢の動きの流れから

側対歩様に泳ぎますと表現しているのです

 

と、こんなことを書いていたら

珍客来訪

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君は平泳ぎだよね

 

 

☆常磐支所からのお知らせ☆

常磐支所では現役競走馬を世話しながら、JRA厩務員を目指す研修生を随時募集しています。

詳しくはこちらのリンクをご覧ください

http://www.equinst.go.jp/JP/onsen/onsendayori.html

暑さ寒さも彼岸まで

週末から雨続きでしたが、今日も小雨の降る寒い日でした

「暑さ寒さも彼岸まで」と言われますが

今日はまさに、そんな日本の四季を感じながらの一日となりました

 

でも、まだまだ馬たちはプール調教がんばっています

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先週までは

今年はいつまででもプールができそうだ

と思わせるほどの暑さが続いていましたので

馬たちもそのギャップに順応できるかどうか・・・

 

今日の13時30分のプール調教時の気温は

なんと20℃!

水温の方が高くて26℃でした

 

ということで

季節の移り変わりには勝てません

今年のプール調教も例年通り

10月1週目で終了とします

10月5日が最後となりますので

まだ見学に来たことがないという方は

是非馬の泳ぐ姿を見に来てはいかがでしょうか

 

今日も、こんな雨の中見学に来ていただいた方もいらしたんです

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「これは~、馬は泳いでるんですか?」

 

と唐突な質問

最初は質問の意味がわからなかったのですが

初めて見る人にとっては

馬が泳いでいるのか、水の中を歩いているのか

わからないようですね

 

さすがの馬も肢は着きません

ちゃんと泳いでいますよ

 

なんといっても深さ3mですから

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実際に泳いでいる姿、是非見学してみてください

久しぶりの雨

ここ1ヶ月ほどまともに雨が降っていなかったのですが

昨日久しぶりに雨が降ったのでホッとしていたところ

今朝はもういいよというぐらい降ってきました

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(この5分前は、雨でかすむぐらいだったんですよ)

雨でぬかるむのも困るのですが

調教馬場が乾燥しすぎるのも困りものなんです

毎日散水の日々が続いていたのですが

明日は大丈夫のようです

それにしても雨も小分けに降ってくれればいいのに

 

さて、そんな雨のいわきをよそに

札幌競馬場は快晴だったようです

前回御紹介したヒヤマサンデーが出走しましたが

残念ながら、7着でした

スタート直後少し躓いちゃったのでしょうか

出遅れてしまいましたね

弾丸ツアーを敢行した研修生は無事横断幕を飾れたようですが

勝利を呼び込むことは出来なかったようです

でも、まだラストチャンスが残っているはずです

あきらめずにがんばって欲しいですね

 

がんばろう福島

君の走りで福島にエールを

だいぶ時間が経ってしまいましたが

福島の最大の馬のイベントである相馬野馬追が先月無事終了したようです

ここ常磐支所に勤務するFさんも毎年参加を続ける一人ですが

今年は御神旗を獲得できたようですし

見物客も多数訪れたようですし

いいお祭りだったようです

 

さて、福島で馬に携わるものとして気にかけていることがもう一つ

福島県生産馬の活躍です

馬産と言えば北海道ですが

ここ福島県でもサラブレッドの生産が行われていたことをご存知ですか?

長年その中心的存在であったのが双葉郡葛尾村の篠木牧場さん

しかしこの葛尾村が原発事故の影響で屋内退避地域に指定されたことから

馬産をあきらめざるを得なくなってしまったのです

何度か話題に上ったことがあると思いますが

その篠木牧場で産まれた最後の馬がヒヤマサンデーという馬

南相馬市出身の木幡騎手鞍上で福島コンビとも呼ばれていましたが

このヒヤマサンデー、もう一つ福島に縁があったのです

 

そう、ここ常磐支所で療養していたんです

 

デビュー2戦目で剥離骨折が判明

美浦トレセンで手術をした後、こちらでリハビリを行ったのでした

何とか未勝利戦脱出を、ということで少し急ぎ気味のリハビリメニューを組んだのですが

馬もそれに耐えてくれて、無事出走にこぎつけました

 

復帰戦はさすがに最後失速してしまったようですが

その後も順調のようです

3週続けて抽選にもれて、なかなか復帰2戦目が訪れないのですが

残り少ないチャンスで何とか勝ち上がってもらいたいものです

 

私たちはリハビリを行い、出走の体制を整えるお手伝いをするだけで

後は馬と厩舎スタッフのがんばりですし

公に私が大きな声で応援するわけにもいきませんので

心の奥で小さく応援しようと思いますが

担当していた研修生はどうも鼻息が荒いようです

こんなものまで作ってしまいました

 

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がんばろう福島

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震災復興のキーワードとしてすっかり定着し

2011年を表す漢字ともなった

「絆」

最近は風化しつつあるようにも感じますが

こんな帽子が出来上がったので、久しぶりに考えてみました

 

どうやら「絆」の語源は

「馬などの動物を繫ぎとめておく綱」

のようです

意外にも馬と関連のある言葉でびっくりしたのですが

ということは「絆」って、これ?

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いやいやいや、やっぱり「絆」ってここの関係だよね

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と思うわけですが、言葉の意味を深く考えてもしょうがないので

「絆」とは「断つことの出来ない人と人との結びつき」

ということで理解しました

 

さて、冒頭の帽子

これは、常磐支所で研修しJRAの厩務員として巣立っていった研修生たちが立案してくれたものです

正面はこんな感じでいわき色たっぷりになってます

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巣立ってからも、いわきに思いを寄せてくれているのは

まさに「絆」によるものと思っています

 

常磐支所でのリハビリにおいて、研修生たちの存在はなくてはならないものです

 

私たちは

リハビリメニューを作成し

定期的な検査、治療、装蹄等をするだけです

 

後は研修生たちのがんばりにかかっています

 

朝から馬房掃除をして

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準備運動をして

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騎乗調教をして

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ウォーキングマシーンに連れて行き

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プールにも行かなくちゃ

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温泉に入れて

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治療が必要な馬もいるし

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一日休まることがありません

 

そんな研修生たちの頑張りがあるからこそ

長期間のリハビリを行い、競走復帰を目指し

喜びや悲しみを共有できるんだと思います

 

そんな研修生たちですが

今年もめでたく2名が競馬学校に合格し

常磐支所を巣立っていくことになりました

 

彼らとも深い絆が結ばれることを願っています

 

「絆」を感じながら

今年の夏は、この帽子で暑さをしのぎ

涼しくなったら、このベストを着て仕事をしようじゃないか

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☆常磐支所からのお知らせ☆

常磐支所では現役競走馬を世話しながら、JRA厩務員を目指す研修生を随時募集しています。

詳しくはこちらのリンクをご覧ください

http://www.equinst.go.jp/JP/onsen/onsendayori.html

研修月間

今月は、各所から多くの若者が研修を受けにやってきました

 

まず最初は、4~5日のJRA新人獣医職員

 

これは、JRAの獣医職として採用された新人に対し

本会職員として必要な基礎知識、技術・技能を習得させ

競走馬の獣医師としての基礎を確立することを目的に行われる

毎年恒例の新規採用獣医職専門研修での来所です

 

この研修、1ヶ月の長期に亘りさまざまな事業所を回り研修を受けるのですが

その一コマとして常磐支所にやってきたものです

 

リハビリのこと、エコー検査のこと、物理療法のこと

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いろいろなことを学んでいってくれたことと思います

 

トレセンでは

まさに競馬に向かおうとしている馬たちばかりを相手にしますので

リハビリとは縁遠く、今回の研修もピンとこなかったかもしれません

リハビリの知識が今後すぐに必要になるものではないと思いますが

馬が出走にたどり着くことがどれだけ大変なことなのか

少しでも感じ取ってもらえていたなら、うれしいなあと思います

(二日間では難しい・・・・・かな?)

 

やっぱり、研修も楽しい方がいいですよね

ちょっとした余興も盛り込んだ内容でした

 

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次はシモゾノ学園の学生

 

シモゾノ学園とは

渋谷と大宮にある、動物に関連した専門学校です

(そんな都会に、そんな学校があるなんてびっくり!)

その中に、犬のリハビリ・理学療法等を勉強する

理学療法学科というのがあるようです

(そんな専門的な学科があることにもびっくり!)

まだ犬の世界では

エビデンスに基づいて理学療法を実施している診療施設がないということで

動物種は違うけれども

リハビリ・理学療法を専門的に行っている施設として

ぜひ常磐支所を見学したい

という相談を受けて実現した研修です

理学療法学科40名が二班に分かれて

14日と21日にやってきました

 

普段聞きなれない馬の話ばかり聞いて

よくわからなかったかもしれませんが

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調教風景を見学して、馬の大きさに驚き

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懸命に泳ぐ姿や

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いろいろなリハビリでがんばる姿

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温泉でのんびりする姿

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馬のいろんな表情を観察してもらえたので

馬にも興味を持っていただけたのではないでしょうか

 

みんなの専門分野である、物理療法も実体験してもらったし

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職人の技も堪能してもらったし

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満足してもらえた一日だったと思います(・・・と思いたい)

 

最後にみなさんにお話しましたが

生き物を扱っていると、いろんなことがあります

嬉しいこと、悲しいこと

そんなことを繰り返しながら私たちもがんばっています

 

シモゾノ学園のみなさんも

がんばって立派な理学療法士になってください

激動の一ヶ月

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この馬、常磐支所に来て2週間ちょっと経ちますが

この一ヶ月は激動の日々を送っています

 

始まりは、トレセンでのエコー検査

 

レース出走後、屈腱に腫れがみられたため検査したところ

浅屈腱炎が判明

幹細胞移植を行い、常磐支所で療養することとなりました

(幹細胞移植に必要な骨髄液の採取はなるべく早い方がいいので、

その採取はトレセンで、移植は常磐支所で実施という流れです)

そこでまずは、骨髄液の採取です

馬の骨髄液は、胸骨に太い針をさして採取しますが

胸骨とは

人間では

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この辺り

馬では

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この辺りです

何だかとても痛そうですが、思ったよりは簡単に採取できるものなんです

採取した骨髄液は、宇都宮にある競走馬総合研究所へ送られ

骨髄液の中の、間葉系幹細胞という細胞を分離・培養して、増殖させます

細胞を増殖させるのに少し時間がかかりますので(約2週間)

その間に馬は常磐支所へ移動して、のんびり・・・

 

とはいきませんでした

 

この馬については調教師さんからのリクエストがもう一つ

「馬っ気がひどいので、先々のことを考え去勢をして欲しい」

というものでした

馬っ気というのは、牡馬が牝馬に興奮することを言いますが

その程度がひどく、恒常的にそのような状態が続くと

トレセンや競馬場では馬の扱いに苦慮することとなります

リハビリ中においても、興奮して暴れたりすることは極力避けたいものです

(暴れることはリハビリの大敵なのです。その話はまた今度。)

ということで、常磐支所到着後、温泉に浸かることもなく去勢手術を行うこととなったのです

 

去勢手術も無事に終わり、増殖中の細胞も必要数まで増えてきたということで

移植日を決定したところ

その前日になって、今度は疝痛(腹痛)です

どうなることかと思いましたが、疝痛は軽いもので事なきを得ましたが

今思えば、いろんなことをされて馬も嫌気がさし、仮病を使ったのかもしれません

 

幹細胞移植は予定通り

宇都宮から細胞を携えて来所した担当者とともに

腱の損傷部位へ細胞を移植し無事に終了しました

包帯も今週末には取れるでしょう

そうしたら、今度は本格的にリハビリのスタートです

 

いろいろあった一ヶ月だけど、そのうち気持ちのいい温泉にも入れてあげるからがんばろうね

 

さて、今日は、会津からいわきに療養に来ているという御老人が見学にいらっしゃいました

健康を取り戻して、会津に帰る前に

以前見学に来たことのある常磐支所を、どうしてももう一度見たいということで、御家族といらしたようです

馬が本当に大好きな御様子で

「馬はいつまで見てても飽きないね~」

と言いながら、馬のことをたくさんおしゃべりしてくれました

残念ながらここは観光牧場ではありませんので、馬に触れてもらうことは出来ませんが

しばら~く馬を眺めていましたので、馬の癒しパワーをたくさん吸収してくれたことと思います

こんな風に地域貢献できることもうれしいものです

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プール開き

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昨日の全国ニュースは、「東京スカイツリー開業」一色でしたね

いにくの天気にもかかわらず多くの方が集まったようですが

強風でエレベーターが止まる等大変だったようです

 

こちら常磐支所も、昼前から雨が降り出し気温も低かったのですが

予定通りプール開きを行いました

冒頭の写真はお清めの塩と鰹節です

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やはり馬たちの安全が第一ということで、まずは無事を祈りました

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ウォーミングアップの後、体に水をかけ、水を飲ませたら

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いざ出発

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「んっ、聞いてないよ~!」って感じで後ずさりしますが

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「どっぼぉ~ん」と入水

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プール開きに駆けつけた報道陣を前に颯爽と泳ぎます

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「あ~終わった~」

久々のプールということでテンションマックスの馬もいましたが

意外にごねることもなく、みんな素直に泳いでくれました

初日のプール調教は9頭

これから10月の初旬までプール調教が続きます

平日の13時30分から泳いでいますので、お近くに来た際には

ぜひ見学に来てみてください

馬を身近に感じることが出来るかもしれませんよ

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冷えた体は温泉で暖めて

また今日からがんばりましょう

馬のプール

温浴場と並び、常磐支所の目玉施設と言えば馬用のプールです

運動制限がかけられている、リハビリ中の馬たちにとって

傷めた肢に負担をかけずに心肺機能を強化できるプール調教は

重要なリハビリメニューの一つとなっています

  

今月下旬のプール開きに向けて準備を進めているところですが

ようやく水がたまりました

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しかし簡単に準備が出来るものではありません

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なんと言っても深さ3mですから

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掃除も足場を組んでの作業になります

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いつも必死に泳いでるな~とは思っていましたが

壁面がこんなに削られているのを見ると

水面下ではこんなにももがいていたんだな~と痛感させられます

  

でもリハビリですからがんばって泳いでもらいましょう

    

3日間かけて満水にした500トンの水ですが

意外なところにも期待されていました

先日消防訓練を行ったのですが、その際消防署の方から

「緊急時には防火用水として使用させてもらえませんか」

というものです

もちろん火事なんてあってもらっては困りますが

地域のお役に立てるのであれば喜んで使っていただきたいと思います

  

さて、プール開きですが今のところ22日を予定しています

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こんな感じで見学できますので、みなさんぜひ常磐支所にいらしてください

遠足

ここ常磐支所は

馬を間近で見られるということで

近隣の小学校の遠足の格好の場所となっています

今日も雨が心配されましたが、元気にやってきました(今年3校目)

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「お馬さんは、大きな声を出すとびっくりするからね」

「お馬さんは、急に動くものを見るとびっくりするから、走り回らないでね」

と言うと

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ちゃんと約束を守って行儀よく見学してくれました

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でも、常磐支所のアイドル「ミミちゃん」はそわそわしっぱなしです

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お弁当も食べられて、よかったよかったと思ったところ

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帰り際ポツリポツリと降ってきました

でも雨にも負けず元気に帰っていきました

この後1時間ほど歩いて学校へ帰るそうです

いわきの小学生はタフですね

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