クリープフィーデングを開始しました🌸
日高育成牧場の桜は見頃を迎え、この春生まれた子馬たちはすくすくと成長しています。今回は子馬たちの成長に関連するクリープフィーディングについてご紹介いたします。
哺乳期の子馬に飼料を給与することを「クリープフィーディング」と呼びます。簡単に言えば、まだ母乳を飲んでいる子馬が、離乳に向けて徐々に固形飼料に慣れていくために飼料を給与することです。
クリープフィーディングの目的は主にふたつあります。ひとつめは栄養補給、ふたつめは離乳へのスムーズな移行です。過去の調査によると、生後2か月齢頃から哺乳量が急激に減少し、母乳や放牧草のみでは栄養不足となることが明らかとなっています。そのためクリープフィード(クリープフィーディング用の飼料)を給与し、不足する栄養素を補います。さらに、サラブレッドは生後半年ほどで離乳を迎え、母乳による栄養摂取ができなくなります。その時期に急激に採食内容が変化すると、消化不良や栄養不足、離乳ストレスによる成長停滞を呈します。離乳を実施する数か月前からクリープフィードを給与し、固形飼料からの栄養摂取に馴らすことで、離乳後もスムーズな栄養摂取が可能となり、成長停滞を予防することができます。
この春生まれた子馬たちは数週間前からクリープフィーディングを開始しました。まずは母馬とともに、飼桶からの飼料摂取を学び、徐々に子馬専用の飼桶からの摂取に馴らしているところです。クリープフィードを摂取しない子馬に対しては、人間の手から食べさせることも試しています。ここから数か月かけて、離乳の頃には一人前の飼料を摂取することができるようにこころもからだも大きくなります。
夏には場内の見学ツアーを開催予定ですので、成長した子馬たちにぜひ会いに来てくださいね。
コメント