ホームブレッド Feed

2022年7月22日 (金)

ホームブレッド1歳馬の巣立ち

 本年も九州市場からサラブレッド1歳馬のセリがスタートし、日高育成牧場でも2021年産駒の後期育成に向けた準備が本格化してきました。日高育成牧場で生産される年10頭程度のJRAホームブレッドは、1歳夏まで集団放牧中心の管理を行っています。その後8頭は日高育成牧場内育成厩舎にて、2頭は宮崎育成牧場にて騎乗馴致が開始され、調教へと移行していきます。

 まず、7月19日にフーダムール2021(牡:父バゴ)とラキュストル2021(めす:父マクフィ)の2頭が宮崎育成牧場へ向けて出発しました。翌20日には残りのホームブレッド7頭が日高育成牧場内の育成厩舎へ移動しました。誕生の瞬間から1年数ヶ月間をともに過ごした彼らの巣立ちは寂しいですが、少し遠くから応援したいと思います。

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ラキュストル2021(めす:父マクフィ)

2022年7月 4日 (月)

マイクロチップ

 7月に入って浦河も急に気温が高くなり、放牧中の馬たちも汗ばみはじめました。暑い日中には水桶に集まり、我先にと水を飲む姿もみられます。

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放牧地の水桶に集まる親子たち

 さて、本日はJRAホームブレッド当歳馬8頭にマイクロチップの埋込を行いました。

 馬用のマイクロチップは固有の番号を書き込んだ長さ14.6mm、太さ2mmの小さなチップです。これを体内に埋め込み、専用の読み取り機で番号を読み取ることで個体照合を行います。先月(2022年6月)には販売される犬猫へのマイクロチップ装着を義務付ける改正動物愛護法も施行されたことから、関心のある方もいらっしゃるかもしれません。競走馬ではイギリスやアイルランドにおいて1999年の産駒から個体照合方法のひとつとして導入されています。日本では2007年以降の産駒に対して血統登録時の埋込(マイクロチップ番号の登録)を義務付けており、マイクロチップがなければ競馬に出走することはできません。それまで毛色や白斑、旋毛などの馬体特徴を用いて照合されていましたが、マイクロチップの導入によってより短時間に正確な個体照合が可能となりました。

 競走馬の場合、マイクロチップは左側頸部中央の項靱帯付近に専用の注射器で埋め込まれます。獣医師によって素早く埋め込まれたため、当歳馬たちも駐立したまま我慢できました。これでまた一歩競走馬に近付いたね。

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マイクロチップを埋め込まれるタキオンメーカー2022(牡:父エスケンデレヤ)

2022年4月 8日 (金)

新年度がスタートしました

 4月に入って放牧地の雪もおおかた融け、浦河も少しずつ春めいています。先月19日にスノーボードロマン2022(めす:父アニマルキングダム)が誕生し、今シーズンの出産は全頭終了しました。日々心もからだも大きく成長している子馬たち。放牧地では元気よく駆けまわったり、お昼寝をしたりと、広い世界を楽しんでいるようです。Photo_8スノーボードロマン親子(2022めす:父アニマルキングダム)

 

 さて、新年度のスタートとともに繁殖班に新しい仲間を迎えました。高校馬術部での活動を通じて馬に魅せられ、入会してくれました。さっそく子馬の扱い方や親子の引き馬などを先輩職員から学んでいます。慣れないことも多く大変だと思いますが、全力でサポートします。これからよろしくお願いします!Photo_9新入職員とタキオンメーカー親子(2022牡:父エスケンデレヤ)

2022年2月14日 (月)

ホームブレッド第1号が誕生しました!

 2月12日23時24分頃、本年のホームブレッド第1号(通算101頭目)となるアーツィハーツ2022(父:デクラレーションオブウォー)が誕生しました。両親と同じ鹿毛の牝馬です。外は雪が舞うほどの寒さでしたが、母子ともに無事に分娩を終えました。今回で2産目となる母馬。子を乳まで優しく誘導する姿に感心しました。子馬には少しずつ新しい世界を楽しんでもらいたいと思います。

 本年のホームブレッドはあと8頭生まれる予定です。全頭の無事を祈り、楽しみに待っています。

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2022年1月12日 (水)

出産シーズン

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。本年もJRA日高育成牧場をよろしくお願い申し上げます。

 年が明け、生産地では出産シーズンが始まりました。JRA日高育成牧場もホームブレッド第1号の分娩予定日まで残り1ヶ月をきり、分娩準備が本格化してきたところです。馬房内の監視カメラを起動させ、妊娠後期の流産原因となる馬鼻肺炎対策としてアームカバーやタイベック防護服の着用、長靴等の消毒も徹底しています。

 無事に元気な子馬たちが生まれてくることを職員一同祈っています。

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アーツィハーツ号(デクラレーションオブウォー受胎)

2021年12月23日 (木)

3ヶ月ぶりの馬運車

 親ばなれが完了し、子馬のみの昼夜放牧(21h/日)でこころもからだもたくましく成長した当歳馬たち。いつも一番に馬房に帰りたいとアピールする子やマイペースな子など、それぞれの個性も色濃くなってきた今日この頃です。

 さて、先日当歳馬たちの放牧地変更を行いました。日高育成牧場内ではあるものの5kmほど離れた放牧地への移動ですので、馬運車を使っての移動です。前回移動した9月から3ヶ月ぶりの馬運車。少し心配していましたが全頭スムーズに乗車し、無事に移動を終えました。新たな環境にもすぐに慣れ、雪をかき分け草を食んでいます。みんな仲良く元気に厳しい冬を乗り切ってね!

 本年のブログはこれで最後となります。みなさまよいお年をお迎えください。

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2021年10月22日 (金)

親ばなれ完了

 今月から、”保育園の先生役”のバクシンスクリーン(牝14歳)も繁殖馬厩舎に帰って、完全に子馬たちだけの生活が始まりました。最初の頃は、朝の健康チェックで私達が放牧地に迎えに行っても遠くからこちらを見ているだけでしたが、最近は、自分から歩いてきてくれるようになりました。

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 やっぱり1列なんですね。ただ先頭は、いつも同じ子というわけでもないようです。誰かが気付いてこちらに向かって歩き出すと、他の子も付いてくるという感じです。

 もうお母さんがいなくても大丈夫。たくましく育ってね!

2021年9月23日 (木)

離乳後

 先日、通算100頭目のJRAホームブレッドであるユッコ2021を紹介しましたが、その後無事に離乳(母親から離されること)を済ませ、さらに広い放牧地に移動しました。日高育成牧場では、離乳後しばらくは子馬たちが淋しがったり新しい環境に戸惑ったりしないように、今年出産しなかった繁殖牝馬を1頭つけることにしていまして、まるで保育園の先生のように子馬たちをリードしてくれています。

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 夜間放牧のあと、朝8時に健康チェックと朝飼付け(朝食)のため馬房に呼び戻すのですが、遠くにいても声を掛ければバクシンスクリーン(牝14歳)がいち早く気付いてこちらに向かって歩き始めるので、彼女を先頭に1列になって帰ってきます。まるでカルガモ親子みたいでかわいいですよ。

2021年9月 9日 (木)

通算100頭目のJRAホームブレッド

 秋になり、今年生まれた当歳馬たちも離乳の時期が近づいてきました。JRA日高育成牧場で生まれた100頭目のホームブレッドとなるユッコ2021(父:クリエイターⅡ)(写真)も、離乳に備えているところです。

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JRAホームブレッドのこれまでの生産履歴などを「JRA育成馬日誌」で紹介していますので是非ご覧ください⇨https://blog.jra.jp/ikusei/

2021年2月25日 (木)

今年も元気な子馬が生まれました!

 まだまだ冬の寒さが厳しい浦河ですが、日高育成牧場では今朝方、今年最初の子馬が生まれました。お母さんは一昨年にアメリカから日本にやってきたのですが、日本の寒さにも負けず無事に元気な初子を産んでくれました。分娩も順調そのもので、破水から分娩まで15分の安産、子馬が立ち上がるまでの時間も1時間のスピード出産でした。少し小柄な女の子ですが、片時もお母さんの傍から離れず、すでに甘えんぼの片鱗を見せています。順調に成長して立派な競走馬になるんだよ!

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