親ばなれが完了し、子馬のみの昼夜放牧(21h/日)でこころもからだもたくましく成長した当歳馬たち。いつも一番に馬房に帰りたいとアピールする子やマイペースな子など、それぞれの個性も色濃くなってきた今日この頃です。
さて、先日当歳馬たちの放牧地変更を行いました。日高育成牧場内ではあるものの5kmほど離れた放牧地への移動ですので、馬運車を使っての移動です。前回移動した9月から3ヶ月ぶりの馬運車。少し心配していましたが全頭スムーズに乗車し、無事に移動を終えました。新たな環境にもすぐに慣れ、雪をかき分け草を食んでいます。みんな仲良く元気に厳しい冬を乗り切ってね!
本年のブログはこれで最後となります。みなさまよいお年をお迎えください。
12月も半ばになり、今年生まれた子馬たちの多くは生後9か月になりました。みんな順調に成長し、生まれたときは50㎏ほどだった体重は、もう300㎏を超えています。
今日は削蹄の日。まだ蹄鉄は着けていませんので、放牧地を駆け回っているうちに蹄は自然に摩耗してくるのですが、まだ長いところを鎌で切ったり鑢(やすり)をかけて整えています。装蹄師さんの手際よい作業に、子馬たちも安心して身をゆだねていました。
日高育成牧場では、春に生まれた子馬は5月頃から削蹄するようになります。もちろん最初はほんの少し、鑢をかける程度ですが、だんだん大きくなるにしたがって鎌を入れて切り取るように削蹄するようになります。そして生後1年半たち、育成馬としてのトレーニングが始まる頃に初めて蹄鉄を着けるようになります。からだの成長に合わせて蹄のケアも変わっていくんですね。
先日、通算100頭目のJRAホームブレッドであるユッコ2021を紹介しましたが、その後無事に離乳(母親から離されること)を済ませ、さらに広い放牧地に移動しました。日高育成牧場では、離乳後しばらくは子馬たちが淋しがったり新しい環境に戸惑ったりしないように、今年出産しなかった繁殖牝馬を1頭つけることにしていまして、まるで保育園の先生のように子馬たちをリードしてくれています。
夜間放牧のあと、朝8時に健康チェックと朝飼付け(朝食)のため馬房に呼び戻すのですが、遠くにいても声を掛ければバクシンスクリーン(牝14歳)がいち早く気付いてこちらに向かって歩き始めるので、彼女を先頭に1列になって帰ってきます。まるでカルガモ親子みたいでかわいいですよ。
秋になり、今年生まれた当歳馬たちも離乳の時期が近づいてきました。JRA日高育成牧場で生まれた100頭目のホームブレッドとなるユッコ2021(父:クリエイターⅡ)(写真)も、離乳に備えているところです。
JRAホームブレッドのこれまでの生産履歴などを「JRA育成馬日誌」で紹介していますので是非ご覧ください⇨https://blog.jra.jp/ikusei/
昨今、各地で熊が出没して話題となっていますが、とうとう当場にも熊が出没しました!!テレビや新聞のニュースで皆さんを驚かせないよう、こっそり育成牧場に現れたこの熊、実は北海道民なら誰でもご存知のあの熊、そう、ブリスキー・ザ・ベアー{通称B⭐︎Bさん(⭐︎はつのだ⭐︎ひろさん同様に発音しないそうです)}なんです!
B⭐︎Bさんは2004年の北海道日本ハムファイターズ誕生から14年間もの間、球団マスコットとして活躍されましたが、2018年から北海道みらい事業として道内の地域貢献活動に活躍の場を移されています。2020〜21年のこの事業の対象市町村が馬産地である浦河町となったことから、浦河町特別アドバイザーとして浦河町を盛り上げるために乗馬を始められたそうです。今回の出没は、いつか皆さんの前で華麗な騎乗を披露するため、こっそり乗馬特訓に訪れたという事情があったようです。
乗馬を始めてまだ日が浅いにもかかわらず、軽快な軽速歩(けいはやあし)で余裕の表情をみせるB⭐︎Bさん、さすがですね!