2022年1月12日 (水)

出産シーズン

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。本年もJRA日高育成牧場をよろしくお願い申し上げます。

 年が明け、生産地では出産シーズンが始まりました。JRA日高育成牧場もホームブレッド第1号の分娩予定日まで残り1ヶ月をきり、分娩準備が本格化してきたところです。馬房内の監視カメラを起動させ、妊娠後期の流産原因となる馬鼻肺炎対策としてアームカバーやタイベック防護服の着用、長靴等の消毒も徹底しています。

 無事に元気な子馬たちが生まれてくることを職員一同祈っています。

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アーツィハーツ号(デクラレーションオブウォー受胎)

2021年12月23日 (木)

3ヶ月ぶりの馬運車

 親ばなれが完了し、子馬のみの昼夜放牧(21h/日)でこころもからだもたくましく成長した当歳馬たち。いつも一番に馬房に帰りたいとアピールする子やマイペースな子など、それぞれの個性も色濃くなってきた今日この頃です。

 さて、先日当歳馬たちの放牧地変更を行いました。日高育成牧場内ではあるものの5kmほど離れた放牧地への移動ですので、馬運車を使っての移動です。前回移動した9月から3ヶ月ぶりの馬運車。少し心配していましたが全頭スムーズに乗車し、無事に移動を終えました。新たな環境にもすぐに慣れ、雪をかき分け草を食んでいます。みんな仲良く元気に厳しい冬を乗り切ってね!

 本年のブログはこれで最後となります。みなさまよいお年をお迎えください。

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2021年12月16日 (木)

削蹄

 12月も半ばになり、今年生まれた子馬たちの多くは生後9か月になりました。みんな順調に成長し、生まれたときは50㎏ほどだった体重は、もう300㎏を超えています。

 今日は削蹄の日。まだ蹄鉄は着けていませんので、放牧地を駆け回っているうちに蹄は自然に摩耗してくるのですが、まだ長いところを鎌で切ったり鑢(やすり)をかけて整えています。装蹄師さんの手際よい作業に、子馬たちも安心して身をゆだねていました。

 日高育成牧場では、春に生まれた子馬は5月頃から削蹄するようになります。もちろん最初はほんの少し、鑢をかける程度ですが、だんだん大きくなるにしたがって鎌を入れて切り取るように削蹄するようになります。そして生後1年半たち、育成馬としてのトレーニングが始まる頃に初めて蹄鉄を着けるようになります。からだの成長に合わせて蹄のケアも変わっていくんですね。

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2021年10月22日 (金)

親ばなれ完了

 今月から、”保育園の先生役”のバクシンスクリーン(牝14歳)も繁殖馬厩舎に帰って、完全に子馬たちだけの生活が始まりました。最初の頃は、朝の健康チェックで私達が放牧地に迎えに行っても遠くからこちらを見ているだけでしたが、最近は、自分から歩いてきてくれるようになりました。

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 やっぱり1列なんですね。ただ先頭は、いつも同じ子というわけでもないようです。誰かが気付いてこちらに向かって歩き出すと、他の子も付いてくるという感じです。

 もうお母さんがいなくても大丈夫。たくましく育ってね!

2021年9月23日 (木)

離乳後

 先日、通算100頭目のJRAホームブレッドであるユッコ2021を紹介しましたが、その後無事に離乳(母親から離されること)を済ませ、さらに広い放牧地に移動しました。日高育成牧場では、離乳後しばらくは子馬たちが淋しがったり新しい環境に戸惑ったりしないように、今年出産しなかった繁殖牝馬を1頭つけることにしていまして、まるで保育園の先生のように子馬たちをリードしてくれています。

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 夜間放牧のあと、朝8時に健康チェックと朝飼付け(朝食)のため馬房に呼び戻すのですが、遠くにいても声を掛ければバクシンスクリーン(牝14歳)がいち早く気付いてこちらに向かって歩き始めるので、彼女を先頭に1列になって帰ってきます。まるでカルガモ親子みたいでかわいいですよ。

2021年9月 9日 (木)

通算100頭目のJRAホームブレッド

 秋になり、今年生まれた当歳馬たちも離乳の時期が近づいてきました。JRA日高育成牧場で生まれた100頭目のホームブレッドとなるユッコ2021(父:クリエイターⅡ)(写真)も、離乳に備えているところです。

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JRAホームブレッドのこれまでの生産履歴などを「JRA育成馬日誌」で紹介していますので是非ご覧ください⇨https://blog.jra.jp/ikusei/

2021年2月25日 (木)

今年も元気な子馬が生まれました!

 まだまだ冬の寒さが厳しい浦河ですが、日高育成牧場では今朝方、今年最初の子馬が生まれました。お母さんは一昨年にアメリカから日本にやってきたのですが、日本の寒さにも負けず無事に元気な初子を産んでくれました。分娩も順調そのもので、破水から分娩まで15分の安産、子馬が立ち上がるまでの時間も1時間のスピード出産でした。少し小柄な女の子ですが、片時もお母さんの傍から離れず、すでに甘えんぼの片鱗を見せています。順調に成長して立派な競走馬になるんだよ!

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2021年1月 4日 (月)

厳しい冬

 例年、降雪量が少ない浦河も昨年のクリスマスから根雪に覆われ、日高育成牧場も真っ白な雪化粧となりました。昨年産まれたホームブレッドたちは年が明けて1歳となりましたが、−10℃を下回る極寒の中でも元気いっぱい放牧地を駆け回っています。とは言え、やはり運動量は大きく減少してしまうため、運動量を補うためのウォーキングマシンが日課に加えられています。

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 昨年末から、時折、放牧地で天然記念物のオオワシがみられるようになりました。鳥類としては日本最大級らしく、大きな体に黄色いクチバシと白黒の羽が勇壮です。越冬のために北海道に飛来するようですが、今年の浦河がこんなに寒いとは想定外だったのでは?

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2020年11月10日 (火)

秘密特訓

 昨今、各地で熊が出没して話題となっていますが、とうとう当場にも熊が出没しました!!テレビや新聞のニュースで皆さんを驚かせないよう、こっそり育成牧場に現れたこの熊、実は北海道民なら誰でもご存知のあの熊、そう、ブリスキー・ザ・ベアー{通称B⭐︎Bさん(⭐︎はつのだ⭐︎ひろさん同様に発音しないそうです)}なんです!

 B⭐︎Bさんは2004年の北海道日本ハムファイターズ誕生から14年間もの間、球団マスコットとして活躍されましたが、2018年から北海道みらい事業として道内の地域貢献活動に活躍の場を移されています。2020〜21年のこの事業の対象市町村が馬産地である浦河町となったことから、浦河町特別アドバイザーとして浦河町を盛り上げるために乗馬を始められたそうです。今回の出没は、いつか皆さんの前で華麗な騎乗を披露するため、こっそり乗馬特訓に訪れたという事情があったようです。

 乗馬を始めてまだ日が浅いにもかかわらず、軽快な軽速歩(けいはやあし)で余裕の表情をみせるB⭐︎Bさん、さすがですね!

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2020年10月12日 (月)

ouch!!

 血統登録審査は馬の戸籍に相当する生まれた最初の登録であり、競走馬を目指すサラブレッド にとっては決して避けて通ることはできません。競馬に関わるサラブレッドには様々な登録が存在しますが、この血統登録審査は、生まれて初めての登録になります。

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 血統登録審査は、書類審査、実馬審査および毛根採取の順に行われます。書類審査は、母馬の身分を証明する繁殖登録証明書と父馬を証明する種付証明書を元に記載事項に間違いがないか確認されます。その後、実馬検査として実際の子馬をみながら、その特徴を一つ一つ確認したり首のマイクロチップ を読み取る作業が続きます。最後にDNA型で親子判定をするためのタテガミを抜いて審査が終了します。ちょっと痛くて思わずouch!!って叫んじゃったけど、競走馬になるためだもんね、仕方ないよね。

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