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2024年12月 9日 (月)

地方競馬厩舎関係者向けの講習会

JRA日高育成牧場では、日頃行っているJRA育成馬の調教法および海外生産育成調教実践研修で学んできた海外の調教法について、各種講習会で講演を行っています。今回は、地方競馬厩舎関係者向けの講習会についてご紹介いたします。なお、今回ご紹介したテーマに限らず、このような講習会にご興味を持たれた地方競馬の厩舎関係者および主催者の皆様におかれましては、講習会の開催についてご検討されては如何でしょうか。JRAには調教法だけでなく運動科学など様々な分野のエキスパートがおりますので、ぜひお気軽にご相談いただけましたら幸いです。

 

・過去に開催された講習会

著者は2015年月6月から2017年2月まで米国ケンタッキー州およびフロリダ州に研修に行き、サラブレッド競走馬が生産牧場で生まれてから競馬場でレースに出走するまで一連の行程を実際にスタッフの一員として経験してきました。中でも、米国の競馬場での調教法は、①調教をする馬場とレースを行う馬場が同一であること、②ダートコースが中心であること、③(集団調教を行わず)単走ないし2頭併走で調教を行っていることなど地方競馬との共通点が多いことから、今までに4カ所の競馬場にお招きいただき、講演を行ってまいりました(写真)。

2020年11月9日園田競馬場および西脇馬事公苑

2022年12月7日浦和競馬場(会場はロイヤルパインズホテル浦和)

2023年11月10日高知競馬場

2023年12月7日川崎競馬場

Photo (写真)高知競馬場での講習会の様子(2023年11月)

 

・講習会の内容

米国のサラブレッド競走馬の調教については、過去に様々な媒体で発信してまいりましたが、要点を簡単にまとめると下記のとおりとなります。1つ目は、走路で本格的な調教を始める前に、不整地や勾配のあるコースで騎乗し、セルフキャリッジ(注1)した走行フォームが作ることです。2つ目は、坂路もしくは1ハロン全力疾走で追切を行い、無酸素運動能を鍛えることです。3つ目は、周回コースでの調教は、調教方法をパターン化して前進気勢を出すことです。4つ目は、精神的に自立したインディペンデント(注2)な馬を作ることで、これらを目標に調教が行われていました。2019年の馬学講座ホースアカデミーにて「ケンタッキーにおける育成調教」というタイトルで概要についてお話しています(動画)。講演ではこの内容に加え、例えば「トレッドミル調教についても教えて欲しい」等のリクエストがあれば、それに応じる形でお話しさせていただいております。

注1:馬が騎乗者の手綱(ハミ)に頼らず自身でバランスをとった状態のこと。

注2:周囲の馬に関係なく1頭でも走れる状態にすること。小回りコースが多く、先行馬有利な地方競馬ではこの状態に調教することが非常に有効に働くと大変好評です。

Photo_2(動画)馬学講座ホースアカデミー「ケンタッキーにおける育成調教」

 

・申し込み方法

1.各地方競馬場の主催者(事務局)に相談。

2.各地方競馬場の主催者(事務局)から地方競馬全国協会(NAR)を通じてJRA競走部 番組企画室 交流競走課に依頼。

3.JRAが地方競馬全国協会(NAR)からの依頼内容を踏まえ講習会の実施(講師の派遣等)について検討。

4.(講習会の実施が決定された場合は)地方競馬全国協会(NAR)を通じて当該地方競馬主催者(事務局)に通知。

JRA日高育成牧場 業務課長 遠藤祥郎