繁殖 Feed

2024年5月27日 (月)

国際馬繁殖シンポジウムについて

昨年7月10-15日にブラジルにおいて第13回国際馬繁殖シンポジウム(International Symposium on Equine Reproduction, ISER)が開催され、日本から私を含む3名が参加してまいりました。本シンポジウムは4年毎に開催されており、世界中のウマ繁殖研究者が一同に会す場となっています。今回は計246題もの研究が発表されました。日本獣医学会における馬繁殖の演題は片手で数えるほどですので、いかに世界のウマ繁殖研究が進んでいるかお分かりいただけるのではないでしょうか。このシンポジウムは発表者と限られたメンバーしか参加できないクローズドな学会ではあるものの、それでも世界中から約400人が参集しました。本稿ではなかなか接する機会のない馬繁殖獣医学研究の最前線について簡単に紹介いたします。

 馬繁殖の学会では一般的に「非妊娠馬」「妊娠馬」「牡馬」「生殖補助医療技術(ART)」「出産・子馬」に分けられます。日本では「馬は人工授精できない」と思われている方も多いかもしれえませんが、近年の馬繁殖研究においては、人工授精どころか受精卵移植は当然のこと顕微授精、体外受精、クローン、性選別精液といったART分野が急速に発展しています。特に馬では不可能と言われていた体外受精や性選別精液といった技術に関して実用化が近づいていることに驚きました。当然、これらは競走馬ではなく馬術競技馬やポロ競技馬を対象としたものです。一方、サラブレッド種の研究は本交配を前提とした臨床データが多く、特に米国ケンタッキーのウマ病院が大学と提携して取り組んでいる調査が多く見受けられました。

発表内容のご紹介

 本稿では比較的身近なキーワードとなってきたバイオフィルムとPRPに関する報告を紹介いたします。

ハグヤード馬病院のDr. Luがバイオフィルムに関する診断的治療法を報告しました。バイオフィルムは細菌が分泌する粘液であり、これによって抗菌薬が細菌に届きにくくなるため、難治性子宮内膜炎の原因となります。治療法として粘液を溶解させるNアセチルシステイン(NAC)や過酸化水素水、DMSO、Tris-EDTAなどが有効とされていますが、厄介なのは診断方法が確立していないことです。そこでDr. Luらは診断的治療法を実施した成果を発表しました。59頭の牝馬に対してNアセチルシステイン(NAC)を子宮内投与し、翌日に検査することで検出率が飛躍的に向上しました(細胞診による炎症評価19%→73%、培養による細菌検出37%→69%)。NAC投与前の検査では59頭中48頭(81%)が正常と診断されましたが、このうち17頭(35%)がNAC処置後の検査で陽性となりました。このことはNAC処置により子宮内のバイオフィルムが溶解し、細菌検出率が向上したことを示唆しています。この結果からバイオフィルムが特別な存在ではなく、非常に身近な存在であると言えそうです。

また、多血小板血漿PRPに関する報告が幾つかありました。PRPは再生医療分野ではすでに臨床応用されている技術ですが、近年は繁殖分野への応用性について研究されています。今回、交配誘発性子宮内膜炎やバイオフィルムに対して有用であったという結果が報告されました。また、子宮内投与する場合には再生医療に比べて大量のPRPを作成する必要があるため、その作成方法や保存方法に関する研究もありました。ただ、これらはあくまでも無処置と比べて有効であったというものであり、従来の治療法である子宮洗浄や抗生物質と比較してどうかというのは明らかになっていませんので、従来の治療法を改善させるものかどうかについては引き続き調査研究が必要と思われました。

ISERの今後

閉会の場において、ISERは今後国際馬繁殖協会International Society of Equine Reproductionとして、研究のみならず教育、交流を先導していきたいということが述べられました。その第一歩としてISER Global Educationというサイトを開設し、専門家による講義動画を100本以上アップロードしています。今後も動画は増えていく予定となっており、世界的な馬繁殖獣医療の底上げに貢献するものと思われます。このウェビナーは日本中央競馬会もスポンサーを務めていますので、ご興味ある獣医師は是非ご視聴ください(有料です)。

日高育成牧場 生産育成研究室長(現馬事部) 村瀬晴崇

28歳の繁殖を引退した高齢牝馬への泌乳処置と乳母付け

昨年度、門別と浦河で開催された強い馬づくり講習会にて、空胎繁殖牝馬への泌乳処置とPGF2α製剤を用いた新しい乳母付け法を紹介させていただきました。その際のアンケートの中で「何歳までなら泌乳処置が可能なのか?」という質問が多数あり、私自身も答えを持てていない部分でありました。今回は民間牧場にて28歳の繁殖を引退した高齢牝馬への泌乳処置と乳母付けを実施しましたので所感とともに内容をお伝えいたします。

子馬は分娩後4日で母馬が急性心不全で亡くなったため乳母が必要となり、その候補として牧場内で繋養中の2頭が挙がりました。

まずは15歳の空胎馬で約2週間の泌乳処置後、2回の乳母付けを実施しましたが、性格の問題か、子馬を許容せず失敗に終わりました。

2頭目は今回の子馬の祖母にあたる28歳の繁殖を引退した高齢牝馬で、最後の分娩は7年前でした。泌乳処置プロトコルは図1に従って行いましたが、高齢が大きく影響しているためか、搾乳量は泌乳処置12日目でも1日当たり600ml程度で、頭打ちとなってしまいました。教科書的には泌乳処置した空胎馬を乳母付けするタイミングとして、1日当たりの泌乳量が3L以上と記載されています。圧倒的な泌乳量不足から乳母付けの実施自体も悩みました。しかし、子馬の馬社会性形成の観点からパートナーになるだけでも、という生産者の希望から乳母付けを実施してみました。乳母付けは図2に従い、PGF2α製剤のみを用いた方法で実施しました。乳母の子馬への攻撃性は全くなく、吸乳も許容していましたが、乳母側の母性行動の発現(子馬を嗅ぐ、舐める)が弱い点、そして子馬の意識がどうしても近くにいる人間に向かってしまう点が気になりました。そこで、馬房よりも少し広い外パドックに2頭を入れ、私達は2頭から距離をとることにしました。人が見えるとまずは人に近寄ってきていた子馬も、乳母と2頭だけの空間になったことで乳母に興味を示すようになり、徐々に2頭の距離感が近くなりました。そして半日後には本当の親子のような関係となり乳母付け自体は成功となりました。

乳母付け翌日以降は、やはり懸念点であった乳量不足が影響し、子馬の体重が減少しました。そのため、バケツで人工乳を給与することと早めのクリープフィードの開始で対応したところ、子馬は満足に吸乳できるようになったことで精神面が落ち着きました。また、興味深いことに28歳の乳母も子育ての使命に燃え始めたのか、以前より目の輝きが増したそうです。後は、子馬の吸乳刺激で多少なりとも泌乳量が増えることを願うばかりです。

今回の経験から、28歳という高齢な牝馬への泌乳処置は効果が乏しいことが分かりました。また乳母の適性としてその馬の性格がとても大事なのだなと改めて学ばせていただきました。そして子馬の栄養源が母乳だけに依存しない時期であれば、乳量の少ない乳母であってもパートナーとしての意義は十分にあり、繁殖を引退した牝馬の活用法の1つとなりうるのではないかと感じました。

Urata1_2 図1
Urata2_2図2

日高育成牧場 生産育成研究室 浦田 賢一

2024年3月15日 (金)

新しい乳母付け法(高用量PG法)

●はじめに
年も明け、再び競走馬の繁殖シーズンとなりました。繁殖シーズンへの準備は万全でしょうか?
今回は繁殖シーズンに出会う事例の1つとして「乳母付け」について、その概要と近年海外で報告されました高用量PG法について解説いたします。

●乳母
乳母とは母馬に代わって子馬を育てる存在であり、多くはサラブレッドではなく温厚な性格のハーフリンガーや重種馬がその役割を担います。乳母は母馬が出産直後に死亡してしまった場合や、初産の若馬で発生が多い育子拒否が生じた場合、また、母馬の乳量不足や疾患など、正常な育子が期待できない場合に導入が検討されます。

●子宮頚管マッサージ法
乳母に子馬を育ててもらうには、ただ単に乳母と子馬を同居させるだけでなく、乳母にその子馬を許容してもらわないといけません。これが乳母付け処置です。
現在、日本の馬生産地では乳母の子宮頚管を用手にて刺激し、分娩時の産道刺激を模倣する子宮頚管マッサージを用いた乳母付けが一般的です(図1)。この方法は、早ければ半日程度で乳母付けが完了する一方で、2~3日程度要することもあり、さらに、子馬の安全を確保するための枠場や馬房内の専用スペースを確保する必要もあり、非常に時間と労力を要します。また、乳母と子馬の相性が悪いときは、その乳母を諦めて他の乳母を検討しなければならない場合も散見されます。

●高用量PG法
2019年に英国でPGF2α(PG)の投与が母性の惹起に有効であることが発表されました。PGは普段、黄体退行剤として使用されていますが、このPGを高用量投与することによって母性惹起が可能であり、子宮頚管マッサージをすることなく、乳母(17症例中17症例)および育子拒否馬(4症例中3症例)への母性惹起に成功したと報告されています。さらに、米国のシンポジウムでも同手法が紹介され、子宮頚管マッサージを用いた従来法と比較して、驚くほど短時間で乳母付けが完了するとの所感が報告されました。また、同手法は2021年に出版された馬繁殖関連の教科書にも掲載されています。以下に「高用量PG法」による乳母付けの手順をまとめました。
1高用量のPG製剤(黄体退行剤として使用する際の3~4倍量)を投与後、15分ほど発汗や軽度の疝痛症状といった薬の作用を確認する。
2馬房内で子馬と対面させ、乳母の子馬の匂いを嗅ぐ、舐めるといった母性行動を確認する。
3子馬を乳母の側面に移動させ、乳房からの吸乳を促す。
4乳母が吸乳を無事受け入れたら、馬房内で乳母、子馬を自由にして数分間監視する。
5子馬の安全を確認して、乳母付けは完了となる。
6母性行動が認められない場合には(10%程度)、12~24時間後にPG製剤の用量を増加して、再度、手順に沿って実施する。
高用量PG法は、PG製剤の投与のみで30分程度で乳母付けが完了するという簡便さ、そして実際に育子拒否した母馬に対しても一定の効果が見込めることから、今後、広く普及していくものと思われます。

●最後に
昨シーズン、日高育成牧場において高用量PG法による乳母付けを実施したところ、子馬との対面からわずか3分後には、子馬の匂いを嗅ぐ・舐めるといった母性行動を認め(図2)、高用量PG投与から乳母付けが完了するまでに要した時間は約30分と非常に順調でした(図3)。なお、乳母となった繁殖牝馬は、乳母付け後に正常の発情サイクルが確認され、無事に受胎することができました。乳母が必要となるような事態が起きないのが一番ですが、万が一必要となってしまった際には、高用量PG法も検討してみてはいかがでしょうか。

Photo_2図1:子宮頚管マッサージ

Photo_3図2:子馬の匂いを嗅ぐ・舐めるといった母性行

Photo_4図3:子馬を受け入れ授乳を促す乳母

2024年1月15日 (月)

2023年「英・愛」種牡馬リーディングと各国の血統の融合

馬事通信「強い馬づくり最前線」第323号

 

 2023年の日本競馬は、非常に盛り上がりを見せた一年でした。特にドバイシーマクラシックを制して、レーティング世界一に輝いたイクイノックスを筆頭に、ドバイワールドカップではウシュバテソーロが、そしてサウジカップではパンサラッサが勝利するなど、日本産馬が海外G1競走で活躍しました。

 日本の種牡馬リーディングについて見てみると、昨年は激戦となりました。2022年まで11年連続で首位に君臨していたディープインパクトがついに陥落し、ドゥラメンテが最終週に逆転で初のリーディングを獲得しました。2位はロードカナロアで、キングカメハメハ産駒種牡馬の1・2フィニッシュとなりました。しかし、ドゥラメンテは2021年に早逝し、上位種牡馬の獲得賞金も拮抗していることから、今年以降も種牡馬の覇権争いは激しくなるかもしれません。

 その一方で、上位種牡馬の系統に着目すると、皆様もご存じの通り、現在の日本の活躍種牡馬の系統は、サンデーサイレンスやロベルトから広がるヘイルトゥリーズン系と、キングカメハメハをはじめとしたミスタープロスペクター系が多くを占めています。2023年の種牡馬ランキングトップ10(図1左)を見ると、ヘイルトゥリーズン系が6頭、ミスタープロスペクター系(全馬キングカメハメハ直仔)が3頭を占めています。これはサンデーサイレンス~ディープインパクトの親子やキングカメハメハの活躍により、特定の血統に偏った結果であると考えられます。

 それでは欧州の最近の種牡馬事情はどうなっているのでしょうか。2023年の英・愛種牡馬ランキングトップ10(図1右)を見ると、3位のドバウィ(Dubawi:ミスタープロスペクター系)を除いた9頭がノーザンダンサー系となっており、日本以上の偏りが確認できます。これは、クールモアグループを代表する大種牡馬サドラーズウェルズ(Sadler‘s Wells、英・愛リーディング14回:1990年、1992年~2004年)とその子ガリレオ(Galileo、英・愛リーディング12回:2008年、2010年~2020年)、そして、豪州でも長年トップサイアーとして君臨したデインヒル(Danehill、英・愛リーディング3回:2005年~2007年)というノーザンダンサー系の大種牡馬が長きに渡って英・愛競馬をリードしてきた歴史に起因しています。

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図1 日本の種牡馬ランキング(左) 英・愛の種牡馬ランキング(右)

青:ミスタープロスペクター系、桃:ヘイルトゥリーズン系、黄:ノーザンダンサー系

 さらに、2023年のチャンピオンサイアーも同系統のフランケル(Frankel)となりました。2021年に続き自身2度目の英・愛リーディング獲得で、欧州全体のランキングでは3年連続の戴冠となりました。現役時代には「史上最強」と称されたフランケルですが、種牡馬としてもすでに記録的な成績を残しています。昨年は英インターナショナルSなどG1競走を2勝したモスターダフ(Mostahdaf)など、産駒が英・愛のG1競走を9勝と大活躍しました。フランケルの父はガリレオ、母の父はデインヒルと、まさに欧州競馬の結晶と言える配合で、同配合からは数々のG1馬が誕生しています。昨年の素晴らしい活躍から、2024年度の種付け料は、ドバウィと並ぶ欧州最高価格の£350,000(約6,300万円)に設定されました。また、後継種牡馬としても昨年の凱旋門賞を勝ったエースインパクト(Ace Impact)の父クラックスマン(Cracksman)などがおり、この血統がさらに繁栄していくことは疑いようがありません。日本におけるフランケル産駒の種牡馬は、モズアスコットなど既に3頭がおり、グレナディアガーズも今年から新たに繋養される予定です。さらにアダイヤーとウエストオーバーの大物2頭も輸入され、日本競馬への広がりは加速してきています。

 昨年の欧州では、ディープインパクト産駒のオーギュストロダン(Auguste Rodin)の活躍が話題となりました。その母の父はガリレオですので、欧州で飽和している血統に日本の血統が融合して結果を出した好例と言えるでしょう。過去には欧州血統のナスルーラが米国で大成功し、近年では、米国で活躍したノーザンダンサーが欧州で、米国で活躍したサンデーサイレンスが日本で大成功を収めたように、血統の拡散がさらなる競馬の発展に寄与するとともに、それが各国の競馬をよりエキサイティングなものにすると推測されます。

 このように、現代競馬はそれぞれの開催国のスタイルが確立されていることから、各国の競馬はその国の競馬スタイルに適した馬の選抜レースという側面が強くなっています。そのため、その国に適した種牡馬や血統というものが固定される傾向、すなわち血統の飽和状態に陥ることが危惧されているともいわれています。

 日本では今後、多くの割合を占めているサンデーサイレンス系やキングカメハメハ直仔の母馬に欧州や米国の血統が融合することでどのような反応を示すのか、特にアウトブリード配合が注目されます。昨年導入されたカラヴァッジオ(JBBA静内種馬場:写真)の母Mekko Hokteは、父Holly Bull、母の父Relaunchはもちろん、4代までの8頭全ての父系がサンデーサイレンス系・ノーザンダンサー系・ミスタープロスペクター系ではない非主流のアウトブリード血統構成となっています。さらに父Scat Daddyも4代までの8頭のうち4頭の父系が同様に非主流の血統構成となっています(図2)。また、日本で活躍しているアグリをはじめ、海外でG1競走を勝利している3頭の馬はいずれも4代までにインブリードを保有していないことからも、日本でのアウトブリード血統としてゲームチェンジャーになることが期待されます。

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写真 母系がアウトブリード血統のカラヴァッジオ(JBBA静内種馬場)

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図2 カラヴァッジオの血統構成:血統表(上)とサイアーライン(下)

 

JRA日高育成牧場 業務課 竹部直矢(現在、英・愛国にて研修中)

2023年10月17日 (火)

PPID調査その2

馬事通信「強い馬づくり最前線」第304号

 前号では下垂体中葉機能障害PPIDについて概説いたしました。本疾患に対して2019-21年に「生産地疾病等調査研究」として取り組みましたので、本稿ではその成果を紹介いたします。本調査研究は大別すると「有病率を明らかにすること」、「繁殖性への影響を明らかにすること」、「治療効果を検証すること」を目的として実施しました。

 

PPID有病率および繁殖性への影響

 日高地区の10歳以上の不受胎馬339頭を対象に、10月上旬に採血しACTH濃度を測定しました。その結果、PPID陽性率8.3%、疑陽性率21.8%、陰性率69.9%でした(図1)。PPID陽性馬28頭の平均年齢は16.1歳で、年齢が上がるにつれてPPID陽性、疑陽性の比率は増加しました(図2)。陽性馬のうち外貌所見(長くカールした被毛)を示した馬はわずか3頭であり、外貌所見を認めない潜在的なPPID馬が多数存在していることが分かりました。陽性馬、疑陽性馬、陰性馬の翌春のシーズン受胎率はそれぞれ63.2%、88.6%、82.8%と陽性馬で低く、PPIDが繁殖成績に影響を及ぼしうることが示唆されました(図3)。各群の平均年齢は16.1歳、14.7歳、13.1歳と異なるため、この年齢差を補正した検定を行っても、依然PPIDが受胎性に影響しているという結果になりました。

 

治療効果

 続いて、10月の一斉検査でPPID陽性と診断された馬を治療群(15頭)と非治療群(7頭)に分けて、翌春の受胎成績を比較しました。その結果、非治療馬の受胎率が28.6%であったのに対し、治療馬の受胎率は80.0%と高く、PPIDによって低下した繁殖性は投薬によって改善しうることが示唆されました。さらに、個別に詳細な繁殖記録も比較しましたが、発情所見、卵巣・子宮などに一貫した傾向は認められず、PPIDがなぜ受胎率を低下させるのか考察することは叶いませんでした。

 

蹄葉炎を発症した馬

 本調査では11月から投薬を開始し、繁殖シーズンが終了した6月末に投薬を終了しましたが、投薬終了後の7-9月に2頭が致死性の蹄葉炎を発症しました。未だ蹄葉炎発症とPPIDの関連性について明確なことは分かっていませんが、ペルゴリド治療が蹄葉炎リスクを軽減している可能性を示唆する事例でした。

 

調査結果を踏まえて

 今回、PPIDが受胎性に一定の影響を及ぼすことが示唆されましたが、PPID陽性馬すべてが不受胎となるわけではありませんので、不受胎であったすべて馬に対してPPIDの検査をする必要はないと思われます。特に10歳未満であればPPIDの可能性は極めて低く、10-12歳でもそれほど高くありません。まずは一般的な不受胎原因(子宮内膜炎や排卵障害、外陰部の形態異常、子宮頚管の損傷など)について検査および治療を行い、それらの可能性が低いような馬、高齢馬、肥満馬、蹄葉炎に罹患したことがある馬などに対してACTH検査を検討することが推奨されます。

 

さいごに

 本調査は臨床現場における調査ですので、さまざまなバイアスが存在し、必ずしも科学的に証明されたデータとは言えない部分があります。また、PPIDが妊娠維持に影響するのか(受胎後、出産まで治療が必要なのか)、疑陽性馬はその後に陽性へと進行するのか、治療が必要なのか、IDが繁殖性にどう影響するのか等については本調査ではアプローチできておらず、今後の課題として残っています。それでも従来「PPIDは受胎性に影響する」と漠然と言われていたことに対して、日高地区の獣医師および生産者が協力して取り組んだことで具体的な数字を示すことができました。本調査研究にご協力いただきました多くの獣医師、生産者の皆さまに深謝いたします。

 

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図1 不受胎馬(10-20歳)におけるPPID区分

 

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図2 年齢ごとのPPID区分内訳

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図3 スクリーニング調査時のPPID区分における翌春のシーズン受胎率

 

日高育成牧場 生産育成研究室長  村瀬晴崇

PPID調査その1

馬事通信「強い馬づくり最前線」第303号

 徐々に日差しが暖かくなり、雪が解けて地面が見えてまいりました。生産牧場では新生子馬の管理に加えて交配管理も始まり、いよいよ繁殖シーズン真っ只中となってきたのではないでしょうか。交配に関して、周知のとおり牝馬の加齢に伴って受胎率は低下しますが、それでも高齢馬を受胎させたいというのがサラブレッド生産特有の悩みと言えます。高齢馬が受胎しづらくなる原因は卵細胞の品質低下、卵胞発育不全、子宮環境の悪化、外陰部の構造不整などいろいろ知られていますが、本稿では内分泌疾患のPPIDについて概説いたします。

 

PPIDとは

 PPIDはPituitary Pars Intermedia Dysfunctionの略で、「下垂体中葉機能不全」と訳します。脳でホルモン分泌の上位を司る下垂体という組織のうち、中葉という部分が肥大し、機能不全をきたすことで、全身に様々な症状を示します。以前は「クッシング病」と呼ばれていましたが、ヒトやイヌのクッシング病とは病態が異なることが明らかとなり、近年病名がPPIDに変わりました。このPPIDは「インスリン調節異常ID」、「馬メタボリックシンドロームEMS」などとともに代謝疾患というカテゴリに分類される疾患です。

 PPIDの症状として被毛(長毛、巻き毛)、削痩(背腰の筋肉がおちる)、局所的な脂肪沈着(首の付け根)といった外貌上の変化がよく知られています。その他に多飲多尿、発汗、免疫低下、行動異常(大人しくなる)、繁殖性低下など様々な症状を示します。繁殖性に影響を及ぼす機序は未だ解明されていませんが、考えられる仮説として1)下垂体が分泌する生殖ホルモンの異常により直接的に子宮卵巣機能に影響を及ぼす、2)代謝ホルモンの異常により体調・体質が悪くなり間接的に繁殖性に影響する、3)免疫力が低下することで子宮内感染が起きやすくなる等が考えられます。

 

PPIDの何が問題なのか

 PPIDは加齢に伴って有病率が高まることが知られており、高齢馬(15歳以上)の有病率は21-27%にもなりますので(McGowan2013, Christiansen2009)、病気ではなく「加齢性変化」と言うことができるかもしれません。病気か否かはさておき、PPIDは蹄葉炎のリスクファクターでもあるため、近年注目されています。また、繁殖領域においては繁殖性低下という点において注目されており、世界的に不受胎馬に対して検査、治療が行われるようになりました。

 

PPIDの検査方法と治療方法

 馬内分泌学グループ(Equine Endocrinology Group)という団体がPPIDをはじめとする代謝疾患の診断基準や治療プロトコルを提唱しています。PPIDの診断チャートは非常に複雑ですが(図1)、検査方法はACTH濃度測定とTRH刺激試験の2つのみです。慣例的に、まずは手軽なACTH濃度を測定します。ACTH検査で最も注意すべきことは、季節による影響を理解することです。特に下垂体中葉の機能は秋に亢進し、診断精度が高くなるため、この時期の検査が推奨されます(表1)。繁殖シーズンに不受胎であった牝馬に対して秋にACTH測定を行い、陽性と診断された馬についてはそこから春に向けて投薬を開始するのが良いでしょう。

 PPIDの治療にはドパミン作動性神経拮抗薬であるペルゴリド錠が用いられます。PPIDは下垂体中葉のドパミン作動性神経が障害される疾患であるため、このドパミン受容体に結合するペルゴリドの投与により神経伝達機能が回復します。このペルゴリドは副作用として泌乳ホルモンであるプロラクチンの分泌を抑制するため、妊娠馬に対しては分娩予定日1か月前から投薬を控えることが推奨されているのでご注意ください。また、障害された神経細胞が再生するわけではないので、投薬を継続する必要があります。

 

さいごに

 本稿ではPPIDの概要について解説いたしました。それでは、どれほどの繁殖牝馬がPPIDに罹患しているのか、受胎率にどれほど影響があるのか。これらの点について、2019-22年に「生産地疾病等調査研究」において取組みましたので、次号ではその成果を報告いたします。

 

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図1 PPID診断チャート

 

表1 月ごとのPPID診断基準値(pg/mL) 

  否定的 判別不可 可能性高い
12月―6月 <15 15-40 >40
7月&11月 <15 15-50 >50
8月 <20 20-75 >75
9月―10月 <30 30-90 >90

日高育成牧場 生産育成研究室長  村瀬晴崇

2023年3月 7日 (火)

分娩シーズンに向けた準備

馬事通信「強い馬づくり最前線」第302号

 生産地では新年を迎えた1月から少しずつ子馬が誕生したという嬉しい知らせが聞かれるようになり、2月に入ってからは本格的に分娩シーズンを迎えています。分娩の準備を用意周到に行ったはずが、いざシーズン最初の分娩が始まると、忘れていたことに気づき、冷や汗をかいたという経験をされたことがある方もいらっしゃると思います。そこで今回は、分娩前に準備すべきものについて簡単に解説するとともに、それらの詳細について記載している日高育成牧場のインターネットサイトのQRコードを紹介します。

 

準備するもの

 一般的にスムーズな分娩であれば破水後20~30分で子馬が生まれます。このため、分娩予定日が近づいたら、あるいは分娩の兆候が確認された際に、あらかじめ分娩に必要な器材を用意してカゴなどにまとめておくことが推奨されます。特にシーズン最初の分娩は、経験豊富な方にとっても約1年ぶりの分娩となることから、備忘録的にリストを作成しておくことによって、うっかり忘れてしまうということを防止できます(表1)。

               

1 表1:分娩準備器材チェックリストの例

1_2 写真1:必要な器材をカゴなどにまとめておく

 

分娩記録シート

 分娩状況の記録は分娩の進行度合いと経過時間を把握できるため、難産時の獣医師への往診依頼や二次診療施設への輸送など、迅速な判断が必要とされる場面での必要不可欠な情報となります。記録シートには、段階的に進む各分娩ステージの時刻(陣痛症状の発現・破水・娩出・子馬の起立・哺乳・胎便)の他、母馬および子馬の健康状態や処置を施した内容を記録しておくことが推奨されます。繁殖牝馬ごとにファイリングすることによって、翌年以降の出産時の対処方法の参考資料として活用できます。なお、記録シートはパソコンのエクセルなどで簡単に作成できます(表2)。シート下部の子馬のAPGARスコアの評価方法については、過去に掲載したJRA育成馬日誌にて詳しく解説していますのでご参考ください(QR1)。

 2 表2:分娩記録シートの例 

Qr1QR1:APGARスコア解説

 

繁殖牝馬に使用する器材

 破水を確認したら、尾を巻く包帯(伸縮性のあるものが良い)を使用して速やかに尾をまとめ上げることによって、その後の子馬の胎位の確認や分娩介助を衛生的に実施することが可能になります(写真2)。子馬の娩出後に少しずつ出てくる後産(あとざん)は、そのままの状態では後肢で引きずって踏みつけ、引きちぎれてしまう恐れがあります。後産はすでに役割を終えた臓器ですので、汚れて損傷しても問題無さそうに思われがちですが、無理に引っ張られると離断して一部が子宮内に残存し、感染源となってしまいます。そのため、排出されている後産を紐で束ねて自然落下を促す必要があります(写真3)。外陰部から露出する後産が短かったり、ちぎれてしまった場合にはペットボトルを数本結びつけることを推奨いたします。

  

2_2 写真2:破水したら尾を巻く

3写真3:後産を紐で束ねる

4 写真4:レッドバッグ

 

新生子馬のための準備

 糖度計によって計測可能なBrix値は、分娩前には分娩時期の予測(QR2)に、さらに分娩後には初乳に含まれる抗体の量を推定できることから、移行免疫不全症のリスクを推定する検査としても利用可能ですので是非とも準備しておきたいツールのひとつです。また、万が一、分娩後に良質の初乳を飲ませることができない場合に必要となるのが凍結保存しておいた初乳です。分娩シーズン初期には前年度に凍結保存していた初乳を、ある程度シーズンが進んでからは、同年に分娩した繁殖牝馬のうちBrix値が20%以上であり、初産ではなく、泌乳量が多い馬の初乳を採取して凍結保存しておきことが推奨されます。これを生後24時間(腸管からの抗体吸収能を考慮すると理想的には生後12時間)以内に対象となる子馬に投与します。保存方法や投与量についてはQR3にて詳しく解説していますのでご参照ください。

 排出された胎盤(後産)は子馬の状態を推測する材料になるので、計量することが推奨されます。これは、分娩の際に臍帯を通じて子馬の体内に流入するはずであった血液が胎盤内に残っていないか、胎盤炎や循環障害による浮腫が起こっていなかったか等を確認するためです。もし、胎盤重量が子馬の体重の10~11%(4.8~5.5㎏との記載もある)よりも著しく重い場合には何らかの異常が考えられるため、より注意深く子馬を観察する必要があります。他にも子馬が低酸素状態に陥る原因にレッドバッグ(早期胎盤剥離)という状態があります(QR4)。正常な分娩であれば、胎盤は臍帯が子馬の臍から自然に離断するまで酸素を供給し続けますが、これが破水に先立って子宮の内側から剝がれてしまうため子馬が低酸素状態になってしまいます。このレッドバッグは、馬の流産原因の5~10%と言われており、写真4のような赤いベルベットのような表面の袋(レッドバッグ)が膣から排出されるので、これを確認したら速やかにこの赤い膜を破って迅速に娩出させ、必要に応じて酸素ボンベを使用して新生子に酸素吸入を行いましょう。

 また、新生子馬に散見される胎便停滞には浣腸液を使用します。胎便は胎子期に、嚥下された羊水、脱落した腸管細胞や粘液の塊で構成されており、通常は生後数時間以内に排出されはじめますが、通常の便とは異なり、粘ちょう度が高く硬いことが通過障害を誘発しやすい理由です。したがって、子馬が立ち上がって初乳を飲んだ後に、胎便が排出されるまで観察することが推奨されます。

Qr2 QR2:分娩予測について

Qr3 QR3:初乳についてQr4QR4:レッドバッグについて

 

分娩馬房の準備

 分娩前後に使用する器材以外に、環境面の準備も必要です。分娩予定日の4~6週間前には、妊娠馬を分娩厩舎に移動させることが推奨されます。その理由は、その場所に常在する細菌やウィルスに対する抗体を初乳中に産生させ、初乳を介してその抗体を子馬に獲得させるためです。同様に、妊娠7~9か月齢の妊娠馬に対して、馬インフルエンザ、破傷風およびロタウイルスワクチンを接種することによって、抗体を産生させる方法も推奨されます(QR3)。

 

おわりに

 今回の内容が少しでも分娩対応の準備の一助となれれば幸いです。この記事が掲載される時には、日高育成牧場のホームブレッドの出産もスタートしていると思いますが、皆様と一緒に今シーズンを無事に乗り切れるよう祈っております。

 

日高育成牧場 主任研究役 琴寄泰光

2022年12月14日 (水)

安全な分娩のための分娩予測

 温度計が氷点下を指し示す時期となり屋外での活動が厳しくなってきましたが、競走馬の生産牧場においては年明けから始まる分娩シーズンに向けての準備が着々と進んでいる時期でもあります。サラブレッドの分娩は、春の交配によって妊娠した繁殖牝馬に対する緻密な飼養管理を約11か月間も継続してようやく迎える競走馬生産の集大成であり、生まれてくる子馬が高額商品であることも相まって、逆子や生後直後のトラブルを予防し、より安全な分娩を実現するために多くの牧場で分娩介助が行われています。

 馬の正常な妊娠期間は、一般的に平均して妊娠335日程度と言われていますが、極めて少ない例外的なものも含めると妊娠300~400日程度まで大きく前後する場合があるとされており、交配日から算出した分娩予定日通りに生まれるとは限りません。そのため、生産地では分娩シーズンになると分娩予定日の近い馬を夜間に監視して、いざ分娩が始まったら迅速に介助できるよう備えなければならず、分娩監視にかかる労力とストレスは多大なものとなっています。そこで、本号では分娩監視の負担を軽減する分娩予測方法について、過去に紹介した内容に最新情報をアップデートする形で紹介します。

 

〇古くから行われてきた分娩予測方法

 牧場では繁殖牝馬ごとの過去の分娩前兆候の履歴を参考としながら、分娩予定日の2週間前から注意深く観察し、分娩時期を推定するのが一般的です。主な分娩前兆候には、①乳房の成熟(腫脹)(図1)、②漏乳(分娩に先立っての泌乳)(図2)、③臀部の平坦化、④外陰門部の弛緩(図3)、⑤体温の低下(通常は朝よりも夕方の体温の方が高い)などがありますが、誤差や個体差が大きいため、あくまでも目安にしかならないという予測方法です。

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図1:分娩3週間前(左)と分娩当日(右)の乳房

 

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図2:漏乳による乳汁が付着した後肢

 

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図3:分娩1ヶ月前(左)と分娩当日(右)の外陰部

 

〇科学的な分娩予測方法

 獣医師によって行われる分娩時期を推定する検査には、血清中プロジェステロン濃度の測定、乳汁カルシウム濃度の測定、子宮頸管の軟化の確認などがあります。計測機器や専門知識が必要なこれらの検査のうち、客観的かつ比較的信頼度が高い方法が乳汁カルシウム濃度の測定です。海外では一般的に普及しており、誰でも使える簡易キットが市販されていますが、残念ながらこの簡易キットは日本で販売されていません。

 しかしながら、乳汁カルシウム濃度の測定と同程度の精度を有し、特別な機器が不要で獣医師でなくとも実施可能な方法として、乳汁pH(図4)や乳汁Brix値(図5)による分娩予測方法があります。これらは市販のpH試験紙(6.2~7.6の範囲の測定が可能なpH-BTB試験紙)による乳汁のpH、および糖度計による乳汁のBrix値を指標とする方法です。日高育成牧場におけるデータでは、乳汁pHは分娩前10日以前には7.6以上を示しますが、分娩が近づくにつれ低下し始め、6.4に達してからは24~36時間で分娩する確率が約85%となりました。また、pHが6.4に達していなければ、24時間以内に分娩しない確率が約90%となりました。同様に、乳汁Brix値は分娩前10日以前には10%以下を示しますが、分娩が近づくにつれ上昇し始め、20%に達してからは36~48時間で出産する確率が約80%となりました。特筆すべきは、両測定法とも約30秒で測定が可能であり、経費も非常に安価であるため、牧場での応用に向いていると言えます。一方、当然個体差もあり、特に初産の場合、精度が低くなる傾向がありますので注意が必要です。また、個体ごとに急速にpHが低下するケースやpHが6.4に達してからも分娩までに日数を要するケース、pHが6.4に達することなく分娩を迎えるケースなど、毎年類似した傾向を示すことが多いので、データを毎年記録することが個体ごとの分娩予測精度の向上に役立つと考えています。

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図4:試験紙を用いた乳汁のpH検査                

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図5:糖度計によるBrix値測定

 

〇分娩予測方法の最新情報

 ここからは、技術や経験を必要としない海外で実用化されている分娩自動監視警報装置について紹介します。この方法は、①監視カメラで撮影された馬房内での繁殖牝馬の様子、②下顎部に装着したスマホ端末や姿勢感知装置からのデータならびに③体表温センサーからのデータを基に人工知能(AI)が分娩兆候を判断し、所有者のスマートフォンに専用アプリを介して警報を発するというものです(図6)。残念ながらこれらのシステムの説明には的中率が明示されておらず、また日本国内での使用の可否も不明ですが、海外では馬産業向けにこのようなシステムの開発が盛んに行われているようです。国内でもAIを応用した同様の分娩予測システムの実用化に向けた研究が進められていますので、より客観的な分娩予測方法として期待が高まります。なお、日高育成牧場では、現在も繁殖牝馬の分娩直前の行動パターン、発汗量などの指標により分娩予知の精度向上を目指した研究を進めているところです。

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図6:最新の分娩予測システム

 

 今回は分娩予測方法について、新旧交えていくつか紹介しましたが、いずれの方法でも測定値の変動傾向に個体差が有り、的中率が100%のものは存在しません。したがって、安全な分娩を実践するためには、繁殖牝馬毎の記録や身体的な分娩兆候の変化を参考にしつつ、複数の分娩予測を組み合わせて総合的に分娩に備えるのが最善だと考えられます。今後も、当場からの新たな研究成果の発信にご期待いただけましたら幸いです。

 

日高育成牧場 主任研究役 琴寄泰光

 

2022年12月 6日 (火)

強い馬づくりのための生産育成技術講座資料 ②繁殖牝馬におけるPPID(下垂体中葉機能障害)(いわゆるクッシング病)

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強い馬づくりのための生産育成技術講座資料 ③JRAホームブレッド生産のまとめ

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