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サラブレッド競走馬は1歳秋に「ブレーキング」とよばれる騎乗馴致を開始します。JRA日高育成牧場で実施している騎乗馴致に対する考え方について、今号と次号にわたってご紹介させていただきます。
1.調教のステージ
サラブレッドは競走馬としての活躍を期待されてこの世に生を受けますが、本来、臆病であり人を乗せて走るまでには様々なステップを経なければなりません。そのため、育成期のステージは騎乗するまでの「初期調教期」、基礎体力を養成する「基礎トレーニング期」、競馬に求められる走行速度や走法などの走力の要素を向上させる「競走トレーニング期」の3期に分けて、段階を踏んで調教を実施しなければなりません。
2.初期調教期
初期調教期は馬に人を乗せることを許容させることを目的に実施します。馬は運動する際にバランスが崩れると不安に陥ります。騎乗を許容させるには、騎乗者は馬上でバランスを崩さずに馬の動きに同調、つまり騎乗者自身の重心と馬の重心とを一致させなければなりません。直線運動時には騎乗者は比較的容易に重心を一致させることができますが、回転運動時に人馬の重心を一致させることは容易ではありません。その理由は、人は回転運動の際には、自転車で回転する時のように進行方向に腰を回転しますが、馬は頭頚を外側上方に向けて馬体を内側に倒して回転する習性があるためです。つまり、回転時に人と馬は本能的に相反する態勢をとることが原因となります。
写真1.馬の自然な回転と内方姿勢での回転
回転時に人馬の重心を一致させるためには、騎乗者が自転車を操作する時のような姿勢での回転が可能となるように、馬に内方姿勢と呼ばれる体勢を取らせて回転させることを教える必要があります(写真1)。そのためには、ランジングやドライビング調教が非常に有効であり、これらのプロセスを総じてブレーキンと呼んでいます。なお、ブレーキングとは騎乗時に手綱を引いて馬が止まるブレーキ(brake)を馬に教えることではなく、それまで群れでの放牧によって培われてきた馬社会の約束事を壊す(break)ことであり、新たに人と馬との約束事を構築することを意味します。ブレーキングは、決して人が力任せに馬を屈服させることではなく「馴らして目標とする状態に至らしめること」であり、馬に人の要求を強要させるのではなく、馬が人の要求を自ら行うように仕向ける姿勢が重要です。その原理原則は、人が馬に対して何かを要求する指示(プレッシャー)を与え、そのプレッシャーから馬が逃げる方向が、人が要求するものと一致するよう馬を導くことです。人の要求が達成された際には、持続して与えていたプレッシャーを即座に解放(オフ)してあげることで、馬は楽になれることを理解します。つまり「プレッシャーオフ」とは馬が要求に応じた際、即座に声をかけたり愛撫をしたりして褒めることともいえます。馬は草食動物であるので、危険あるいは不快なもの(プレッシャー)からは回避すると同時に、同じ場所にとどまって草を食べる安住の場所(プレッシャーオフ)を求めています。ブレーキングでは、この習性を利用することが非常に重要となります。
1)遠心運動を利用したランジング調教
ランジングにおける円運動では遠心力が生じるため、馬はバランスを維持しようとして、手綱が連結した内側のハミを支点として頭頚を少し内側に向けて馬体を湾曲させます。これこそが騎乗者が回転時に人馬の重心を一致させやすくなる体勢であり、円運動を行う最大の利点は、馬にこの内方姿勢に近い状態でのバランス維持を習得させることが可能となる点といえます(写真2)。
写真2. 遠心力を利用したランジング
2)ドライビング調教
ドライビング調教とはハミに連結した2本の長い手綱を馬の後方で馬車のように操作して、騎乗する前に開き手綱による回転やハミと口角との間に遊びのスペースを設けてハミに頼ることなく馬自身によるバランスで運動することを教える調教方法です(写真3)。前述のランジングで教えた内方姿勢での左右両側の回転のみならず、前進や停止など騎乗時と同様の合図を騎乗することなく習得させることを目的にドライビングを実施します。つまり、騎乗時と同一の扶助で馬を操作し、騎乗後にも一貫した扶助で馬を操作することによって馬に混乱を生じさせないことが安全な騎乗へとつながります。
開き手綱の理解や重心移動の習得を目的に、ドライビングによるスラロームや8の字運動などで手前変換を行う際には、前進気勢と馬自身によるバランスを維持した体勢(セルフキャリッジ)の維持に留意しなければなりません。特に、前進気勢の重要性はどれほど強調してもし過ぎることはありません。例えるなら、止まっている自転車のハンドルをいくら動かしても曲がれないのと同様で、ドライビングにおける馬の前進気勢は絶対条件となります。そのためにも前進気勢が維持しやすく、さらに、重心のブレが少ない速歩の方が常歩よりも容易に実施できます。
写真3. ドライビングによる左右の内方姿勢
3.基礎トレーニング期
基礎トレーニング期は騎乗による基礎体力の養成を目的に、キャンターでの調教に多くの時間を費やさなければなりません。しかし、初期調教を終えたばかりの馬は、未だ騎乗者の荷重に慣れておらず、バランスの維持が困難な状態にあります。そのため、キャンターでの調教を実施する前に、騎乗した状態で放牧地における馬自身によるバランスを維持した体勢を習得させる必要があります。
キャンターでのセルフキャリッジを習得させるためには、人馬の重心の一致を図ることを目的として、騎乗者には馬の重心に近い鐙上にバランスを維持する技術が求められます(写真4)。また、セルフキャリッジは馬の重心の移動や頭頚の動きが少ない速歩でより習得しやすいことから、速歩調教を繰り返し実施した後にキャンターでの調教に移行することが非常に重要です。また、この時期には競馬の要素として不可欠な群れでの走行に慣らすことも重要となります。
写真4. 馬の重心と鐙の位置の関係
日高育成牧場 副場長 頃末 憲治
はじめに
多くの育成場では、育成馬の騎乗馴致を開始している頃だと思います。トレセンや競馬場に移動するまで順調に調教が進む場合もあれば、疾患の発症によって休養を余儀なくされる場合もあるでしょう。今回は皆様の悩みの種となる育成期における運動器疾患について紹介させていただきます。
離断性骨軟骨症(OCD)
軟骨内骨化の過程に異常をきたす疾患で、関節軟骨の糜爛や剥離を生じさせる骨端骨化異常と考えられています。好発部位は球節、肩関節、飛節、膝関節であり、特に飛節でよく認められます。跛行等の臨床症状を認めることが少ないため、セリ上場に際するレポジトリー検査のX線撮影時に偶発的に発見されることがほとんどです。なお、X線検査で所見を認めていても無症状であることが多く、これらの場合は育成調教および出走に影響を与えることは少ないと考えられています。JRA育成馬を用いた調査においても、飛節のOCDを認めた馬と非OCD馬の出走時期および出走回数に有意な差は認められませんでした。一方、OCDに起因する跛行が継続する場合には、関節鏡による骨軟骨片の摘出手術が必要となることもありますので注意が必要です。
図1.飛節(距骨滑車外側稜)のOCDのX線所見
軟骨下骨嚢胞(ボーンシスト)
関節軟骨の下にある骨の発育不良により発生する骨病変で、栄養摂取や成長速度のアンバランスなどの素因がある子馬において関節内の骨の一部に過度の物理的ストレスが加わることで発症すると考えられています。好発部位は前肢の球節、指骨間関節、肩関節、膝関節であり、前述のOCDと同様にセリ上場に際するレポジトリー検査のX線撮影時に偶発的に発見されることがほとんどです。骨嚢胞が認められても、調教に支障をきたさない場合もありますが、特に膝関節の軟骨下骨嚢胞に起因する跛行などの臨床症状が認められた場合は、長期休養が必要になることもあります。治療としてはステロイド投与、シスト領域へのスクリュー挿入や掻把等があります。
図2.大腿骨内側顆における軟骨下骨嚢胞のX線所見(グレード1~4)
近位繋靭帯付着部炎(深管骨瘤)
繋靭帯と第3中手骨の付着部位における炎症の総称です。原因として繋靭帯の役割が関わっていると考えられています。馬が走行する際には球節が沈み込み、繋靭帯はそれを元の位置へ戻そうと球節を上に引っ張り上げる役割があります。そのため、繋靭帯付着部では下へ引っ張る強いテンションがかかることによって炎症が起こります。
軽度~中程度の跛行を示し、患部の触診痛や熱感を伴うこともありますが、触診痛を示す症例は少なく、さらにX線検査や超音波検査といった画像診断で異常所見を認める症例も多くありません。そのため、所見が認められない場合には、局所麻酔による跛行改善を確認することで確定診断を行います。軽傷であれば比較的早い調教復帰も可能ですが、再発例も多く認めることから、慎重なリハビリを行うことが重要です。
図3.赤丸内が繋靭帯付着部
ウォブラー症候群(腰フラ)
頸椎脊髄の圧迫に起因する運動失調を示す疾患で、主に後肢で多くみられます。発症時期は4~24ヶ月齢、特に生後4~8ヶ月齢と14~18ヶ月齢の二峰性の好発時期があると考えられています。サラブレッドの発症率は1.3~2.0%といわれており、牡馬は牝馬よりも発症率が高いという調査結果があります。発症原因は遺伝や栄養バランス、成長障害、外傷などが考えられており、診断方法としてはX線検査やCT検査があります。予後は悪く、発症後に運動失調が進行する場合が多く、重症例では起立不能となります。軽症例では、抗炎症剤の投与や馬房内休養、過度な成長を抑制するために飼料給与量を75%に制限した食餌管理法を実施することで症状が改善される場合がありますが、根本的な治療にはならないことがほとんどです。
図4.第3頸椎の脊椎管狭窄部位のX線所見(この狭窄が主に後肢の運動失調を誘発)
最後に
早期発見が重要になってきますので、歩様の異常、下肢部の腫脹、関節液の増量など些細な変化を見逃さず、日々チェックやケアをしていくことが不可欠です。
JRA日高育成牧場 業務課 久米紘一
日高育成牧場では、競走馬の育成のみならず、将来の馬産業を担う人材育成も積極的に行っています。その一つが、獣医学生を対象とした実習プログラム「JRA日高サマーキャンプ」です。
学生に実習機会を提供し、馬を知ってもらう
日本の獣医大学では、大学によって多少の差異や特色があるものの、実習には犬や牛が使われることが多く、馬についての実習はほとんど行われていないのが実情です。そこで、日高育成牧場では馬に興味のある学生のために、馬に直接触れる実習を2009年から行っています。
昨年と一昨年は新型コロナによる緊急事態宣言などのため中止を余儀なくされましたが、今年は第7波のさなかではありましたが、さまざまなイベントが再開されつつある社会情勢を鑑み、十分な感染予防策を講じたうえで開催することになりました。また、今年はまだ実習を見合わせる機関が多かったことから、できるだけ多くの学生に実習機会を提供するため、例年は1週間だけの開催であるところ、今年は8月22日~26日と8月29日~9月2日の2週に分けて合計12名の学生を迎えました。
VPcampで幅広く募集
参加者の募集は、以前はJRAホームページで告知して行っていましたが、現在はVPcampを通じて実施しています。VPcampとはVeterinary Public health campの略で、NPO法人獣医学教育支援機構が実施している、獣医学生を対象とする家畜衛生・公衆衛生獣医師インターンシッププログラムのことです。このプログラムは、主に行政分野で活躍する公務員獣医師を育成することを目的としており、国や都道府県の研究施設や家畜保健衛生所などが対象ですが、JRAもこの活動に協力する形で参加しています。VPcampを通すことで、最初から馬の獣医師になると決めている学生だけでなく、進路が未定で実習先を探しているような学生にも目に留めてもらうチャンスが広がり、幅広く学生を募集することができるのは大きなメリットだと思われます。
実習は初心者目線かつ高度なものを
参加者の中には初めて馬に触れるという学生もたくさんいますので、まずは馬へのアプローチや頭絡のつけ方、体の触り方などから始めます(写真1)。そして馬房掃除、集放牧で牧場の仕事を体験し、乗馬実習では全身で馬を感じてもらいました(写真2,3)。
写真1 牧場実習(体温測定)
写真2 牧場実習(集牧作業)
写真3 乗馬実習
写真4 臨床実習(直腸検査)
その一方で、臨床実習も行います。主に繁殖牝馬を使って、聴診や触診といった基礎的な実習から、直腸検査やレントゲン撮影、心臓のエコー検査など、大学ではなかなか経験できない実習を行っています(写真4,5,6)。
写真5 臨床実習(心臓エコー検査)
写真6 臨床実習(採血)
近年の獣医学生は臨床実習に参加するにあたり獣医学共用試験(VetCBTとVetOSCE)に合格する必要があり、今回の参加学生も全員この試験に合格しています(いわゆる仮免許のようなものです)。これにより獣医師の指導のもと診療行為に参加することができるため、一歩踏み込んだ実習を行いやすくなりました。
参加学生は、新型コロナの影響で大学の授業がオンライン形式になったり、実習も大人数を避けるため分割・縮小されるなど、とても満足とはいえない状況が続いていることもあってか、少人数制で時間をかけてじっくりと経験できる今回の実習に対して非常に生き生きとした表情で取り組んでいました。
馬の獣医師希望者を増やすために
サマーキャンプは、実施する側にとっては求人活動という意味合いも含まれています。参加学生は将来馬の獣医師になりたいという明確な意思をもって参加している学生もいれば、他の業種、例えば小動物臨床と迷っているという学生もいます。初めから馬に進みたいという学生は、こちら側から積極的にアプローチしなくても馬の世界への進路を選択してくれますが、迷っているという学生に対しては、本実習で実施したように馬そのものの魅力を伝え、できるだけ分かりやすくインパクトのある実習により馬の臨床の面白さを伝えることで、馬の世界への進路を選択してもらえるよう後押しするのが重要な役目になっていると考えています。
JRAでは、馬の獣医師の志願者を増やす試みとして「競走馬および乗馬の獣医師を志す学生を支援するための奨学金制度」を日本国際教育支援協会(JEES)の協力のもと実施しています。受給学生は本実習のようにJRAが実施する研修や研究発表会に参加することを義務として課していることから、否が応でも馬に興味を持ってもらえます。支給期間は5年生の4月から24か月間であることから、きっかけをつかむには少し時期は遅いかもしれませんが、馬の獣医師になることを決めている学生には新たな気付きの機会となり、進路を決めかねている学生には馬の世界を知ってもらう契機になるものと考えられます。今回の実習には、奨学金受給生が5名参加していましたが、この奨学金制度が繋いだとも言えます。
サマーキャンプのような活動を通じて少しでも多くの学生に馬に興味を持ってもらい、将来の馬産業を担う人材になってほしいと願っています。
日高育成牧場 生産育成研究室長 関 一洋
自家牧草の成分分析
暑さが和らぎ、「天高く馬肥ゆる秋」の季節がやってきました。夏から秋に収穫した乾草は放牧地が雪に覆われる厳冬期に給与する大切な粗飼料となるため、良質な乾草の収穫が望まれます。乾草の見た目によってその質をある程度は判断できますが、正確な評価をするためには牧草分析を行うことが推奨されます。
表1はアメリカ産輸入乾草および日胆産乾草の主な栄養価を示しています。これらの値が乾草の質を判断するひとつの目安になります。今回は日高育成牧場のデータを参考に、成分分析値の読み方をご紹介いたします。
2018~2020年に日高育成牧場で収穫した乾草(33サンプル)のタンパク質含有率の平均値は11.9(±3.3)%であり、一般的な目標値である9.0%を超えていました。表1に示したように日胆産乾草のタンパク質含有率は9.6%であることから、この地域における平均以上の質の乾草であり、同じくアメリカ産チモシー乾草は1番草が10.3%、2番草が12.8%であることから、輸入乾草と比較しても同程度の質の乾草を収穫できているといえます。
繊維(NDFとADF)の評価
草食動物である馬にとって繊維は非常に重要です。これまでの評価では粗繊維含有率として繊維全体の値が使われてきましたが、近年ではNDFやADF含有率が用いられています。NDFは中性デタージェント繊維の略で、細胞壁を構成する物質のうち、ヘミセルロース、セルロース、リグニンが含まれます。ADFは酸性デタージェント繊維の略で、NDFからヘミセルロースの値を引いたものです(図1)。リグニンは不消化成分ですが、ヘミセルロースは50%程度、セルロースは40%程度が馬の大腸の微生物によって分解後、消化吸収されてエネルギーとして使用されます。
一般的にNDF含有率は40~50%で良質とされ、65%以上となると嗜好性や採食量が低下するといわれています。ADF含有率は30~35%であれば良質と判断され、消化や栄養素利用率が良好とされています。ADF含有率が45%以上となると、総合的に栄養価が低いといわれますが、このような値になる乾草はほとんどありません。このように、NDFやADF含有率は乾草の品質評価に使用できます。
図2は2018~2022年に日高育成牧場で収穫した乾草のNDFおよびADF含有率を散布図で示したものです。良質とされるNDF含有率:40~50%、ADF含有率:30~35%の基準を両方とも満たした乾草はありませんでしたが、ADF含有率が30~35%となる乾草は10サンプル(全体の30.1%)あり、日高育成牧場で収穫した乾草の中ではこれらのものが良質であると考えられました。
NDF含有率に注目すると、65%以上となる乾草は16サンプル(全体の48.5%)ありました。一般的にNDFやADF含有率が高くなる原因は、収穫時期が遅れた結果と考えられます。表2は2020年に収穫された乾草のNDFおよびADF含有率と収穫日の関係を示しています。この結果から天候などの理由により収穫が遅れた乾草のNDFおよびADF含有率が高くなっていることがお分かりいただけると思います。一方、2番草であっても適切な時期に収穫を行えば、ある程度の質の乾草が得られることも分かります。
1番草と2番草
一般的に1番草は2番草よりも栄養価が高いとされており、1番草の方が高値で販売されています。そのため、生産者のみなさんの間でも1番草を選択される方が多いかと思います。しかしながら、近年、乗馬の世界では葉が多く柔らかい2番草の方が好まれる傾向があります。昨年開催された東京五輪の馬術競技においても、乾草3種(チモシー1番草・2番草、ルーサン)の中でチモシー2番草の受注が最も多く、1番草の2倍の受注量だったそうです。
実際、1番草と2番草でどのような違いがあるのか、2020年に日高育成牧場内4箇所の採草地で収穫した乾草の成分比較を実施しました(表3)。その結果、2番草はタンパク質含有率が高く、先述したNDFおよびADF含有率が低い結果となり、2番草の方が良質な乾草といえることが明らかとなりました。なお、このときの1番草は天候などの理由から収穫が遅れ、出穂後に収穫したことが質の低下の要因のひとつと考えられたことから、これまで多くの文献でも指摘されてきたとおり、できる限り出穂前に収穫することが重要だと考えられます。
終わりに
適切な飼養管理を行うためには、今回ご紹介したように牧草分析を行って、科学的に乾草の質を評価することが推奨されます。その結果を元にして、より良い牧草を収穫するための対策を考える必要があります。例えば、採草地に明らかに雑草が増え、牧草分析の結果からも質が低下していることが示唆される場合には、草地更新を検討する必要があるかもしれません。また、牧草分析と一緒に土壌分析も行い、土壌の状態を正確に把握して適切な施肥管理を行うことが牧草の質の改善にも繋がります。牧草分析の結果を活用し、適切な飼養管理に繋げていただければ幸いです。
参考資料(QRコード参照)
サラブレッドのための草地管理ガイドブック(公益社団法人 日本軽種馬協会)
愛馬のカイバあれこれ(JRAファシリティーズ株式会社)※一部を下記サイトで確認できます
JRA日高育成牧場 生産育成研究室 根岸菜都子
JRAは2009年よりJRAホームブレッドとして自家生産馬を生産してまいりました。2022年までに通算で100頭を超えるサラブレッドを生産してきましたので、今回は生産を通じて得られた各種知見について、ご紹介していきたいと思います。
JRAホームブレッドの受胎率
2022年現在までに100頭以上のJRAホームブレッドが生産されてきました。それらの受胎に関する詳細をまとめたのが表1となります。これまでに交配牝馬頭数は143頭にのぼり、それらの馬に対して198回の交配が行われました。受胎頭数は125頭であり、分娩頭数は108頭となっています。これらの数値を用いて受胎率や分娩率を算出しますが、受胎頭数を交配回数で割ったものが1交配当たりの受胎率、受胎頭数を交配牝馬頭数で割ったものを交配牝馬頭数当たり、つまり繁殖シーズン当たりの受胎率と呼んでいます。1交配当たりの受胎率は、交配適期を逃さずに交配できたことを示していると考えられ、適切な交配判断の指標になると思われます。また、繁殖シーズン当たりの受胎率については、繁殖シーズンを通して繁殖牝馬を受胎させる状態で管理できたことを示しており、適切な飼養管理ができていたかを示す指標になると思います。JRAホームブレッドの1交配当たりの受胎率と分娩率は、それぞれ63.1%と54.5%でした。一方、繁殖シーズン当たりの受胎率と分娩率は、それぞれ87.4%と75.5%という結果になっています。1997年から2017年までの日本で生産されたサラブレッドの分娩率についての報告によると、1交配当たりの分娩率は40~43%、繁殖シーズン当たりの分娩率は70~75%という結果が報告されています(Fawcett, 2021)。この結果と比較すると、JRAホームブレッドの分娩率は日本の平均と同等かそれ以上ということができると思われます。特に、1交配当たりの分娩率が平均を上回っていた点については、繁殖牝馬の年齢が若いことに加え、適切に交配判断ができていることが要因と考えられます。
表1 JRAホームブレッドの受胎率と分娩率
受胎から出産まで
先ほどの表1で示したように、受胎した馬がすべて無事に生まれてくるわけではありません。表2は、受胎してから出産までに胎子が失われた内訳を示しています。受胎馬は122頭であり、その中で、早期胚死滅や流産、死産が発生して出産まで至らなかった割合は11.5%でした。この胎子喪失率については、13.8%【イギリス】(Rose, 2018)、14.7%【日高地方】(Miyakoshi, 2012)などの報告があることから、JRAホームブレッドの胎子喪失率は平均より低く、その要因は繁殖牝馬の年齢構成と適切な飼養管理の結果と思われます。胎子損失の原因の中で、その半数が胎齢約40日以内の喪失として定義される早期胚死滅が占めていました。胎子の喪失の中で、胎齢39日までの発生が55%、胎齢49日までの発生が75%を占めるという報告もあります(Bain, 1969)。これらの事実からも、早期胚死滅を防ぐ管理を行っていくことが、胎子損失率を低下させるためには非常に重要であることが示唆されます。早期胚死滅の発生率は加齢と共に上昇することが知られています(Miyakoshi, 2012)。このことから、繁殖成績(産駒の競走成績)の芳しくない高齢の繁殖牝馬は、更新することを検討すべきかもしれません。
表2 胎子喪失の内訳
子馬の出生時体重
多くの生産者の方にとって、子馬の出生時体重は気になる要素であると思います。出生時体重が小さいと成長に不安が残りますし、逆に大きな産駒であっても難産の発生要因となる可能性があります。JRAホームブレッドの出生時平均体重は53.3±6.5kgであり、最大値は66kg、最小値は29kgでした。最小体重で生まれた子馬は、母馬が慢性的な蹄葉炎を患っていたために虚弱状態で生まれました。乳母により育てられることになりましたが、最終的には競走馬になっています。
一般的に、初産の繁殖牝馬から生まれた子馬は小さいことが知られています。繁殖牝馬の産歴と子馬の出生時体重の関係を示したものが、表3となります。初産の平均出生時体重は45.8±5.4kgであり、全体の平均よりも小さい値になっていることに加え、2産目以降の平均出生時体重との比較でも有意に小さい値となっていました。このように初産の子馬が小さくなる要因としては、出産を経験していない繁殖牝馬では子宮が小さく、胎子が子宮内で発育するための領域が十分ではないためだと考えられています。一方で、競走馬となった時の体重は両親の体格といった遺伝的要因の影響も大きく受けますので、初産で小さく生まれた子馬に対しても増体を目的とした極端な管理は行わずに、適切な飼養管理を心掛けることが重要であると思われます。
表3 繁殖牝馬の産歴と出生時体重の関係
ブリーズアップセール上場率
表4は、2022年のブリーズアップセール(以下BUセール)で売却された世代までの受胎からBUセール上場までの内訳を示しています。これまで12世代で101頭の受胎馬がいましたが、BUセールに上場できたのは70頭であり、約30%がBUセールに上場できなかったことになります。欠場の理由は様々ですが、育成期に発症が多い深管骨瘤に代表される運動器疾患が大多数を占めています。
BUセール欠場馬19頭のうち、北海道トレーニングセールにおいて6頭を売却しています。JRA育成馬という特性上、それ以降に売却する手段がないため、それ以外の馬については競走馬となることは叶いませんでした。その結果、JRAホームブレッドの出走割合は約75%にとどまっており、日本における生産馬に対する出走馬の割合の約90%と比較して低値になっています。今後はいかにBUセール上場時に調教を行える状態を維持できるかについて、さらなる調査・研究が望まれます。
表4 受胎からBUセール上場までの内訳
終わりに
JRAホームブレッドは、生産育成研究の対象として活用され、乳汁pHを用いた分娩予知法の開発や厳冬期の昼夜放牧管理方法の検討などに役立ってきました。今後も、生産地のみなさまに還元できるような知見を得るために、生産育成業務に励んでいきたいと思います。
日高育成牧場専門役(生産担当) 岩本洋平
前号では「レポジトリー検査」におけるX線検査画像についてご紹介しましたが、今号では喉(ノド)の状態の確認手段にあたる内視鏡検査についてご紹介いたします。レポジトリーにおける内視鏡動画は、個体照合のために検査馬の顔を映した後に鼻道内をすすみ、篩骨迷路と呼ばれるトンネル様の構造物の下方を通った後に咽喉頭部の所見を撮影するというのが一般的です。咽喉頭部に到達するまでの鼻腔内の粘膜は繊細で出血しやすく、安全な検査を実施するためには馬の保定が不可欠です。通常、鼻捻子を使用して検査を実施しますが、中には鼻捻子の使用を嫌って暴れてしまう馬もいます。このような場合でも、タテガミを捻じったり、肩をとったり、リップチェーンの様な馬具を使用することによって検査を許容することもあるため、個体に応じた保定法での検査が推奨されます。
どうしても検査を許容しない馬に対しては、人馬の安全のために鎮静剤を投与して検査を実施することもありますが、鎮静剤の使用によって喉の披裂軟骨の動きが悪化する馬が散見されることがJRA育成馬を用いた過去の研究により報告されています(図1)。このように鎮静下では内視鏡動画所見を正確に判断できない可能性があり、購買に至る判断を迷わせる原因になりかねません。鎮静剤の使用がやむを得ない場合もあるかと思いますが、レポジトリー所見に誤解を生じさせないためにも、事前に鼻捻子の馴致を実施しておくことが有用かと思われます。
図1:鎮静処置下の咽喉頭部内視鏡像(左図:鎮静前、右図:鎮静後)
鎮静処置により喉頭片麻痺グレードがⅡaからⅢaへと変化した症例。左側の披裂軟骨(向かって右側)の開きが悪化している。
咽喉頭部の内視鏡動画を評価するにあたり、咽喉頭部の部位の名称やグレード評価、病名がとびかいますが、英語表記で略される場合もあり、少し分かりにくいという印象はありませんでしょうか?部位の名称およびレポジトリー検査時に注目すべき疾病に関して、簡単ではありますがご紹介させていただきます。咽喉頭部の部位を図で簡略表記したものが図2になります。
図2:咽喉頭部(正面)の部位名称
・喉頭片麻痺(LH:Laryngeal Hemiplegia):「のどなり」、「喘鳴症」ともいわれ、運動時のヒューヒュー音を特徴とします。検査所見の評価ポイントは披裂軟骨と声帯ヒダの動きです。馬が息を吸い込む際、通常であれば披裂軟骨は左右外側に大きく開き、空気を取り込みやすくします。披裂軟骨が左右同調し、対称性を保って動くか、完全な外転を維持できるかを基準に片麻痺のグレードを評価します。水を噴霧するなどの嚥下を誘発する刺激後すぐに最大外転を認めるため、動画内の刺激直後の披裂軟骨の動きに注目する必要があります。安静時の内視鏡検査で披裂軟骨の最大外転が不可能、あるいは最大外転の維持が困難である場合は、より吸気圧の高まる運動時に披裂軟骨が内側に倒れ込み、気道を狭くする可能性が高まります。左側での発症がほとんどで反回神経障害(RLN:Recurrent laryngeal neuropathy)に起因するとされますが、近年RLN以外が原因で起こる咽頭の虚脱も認識されてきています(図3)。これらは軟骨疾患や形成異常に起因しており、RLNとの鑑別には超音波検査での喉頭構成軟骨・筋肉の評価や運動時内視鏡検査による咽喉頭部の虚脱部位の詳細な評価が必要になります。喉頭片麻痺に対する外科的治療として、披裂軟骨を外転させた状態で固定する喉頭形成術(Tie-back)が行われますが、RLNではない片麻痺に対するTie-backは望んだ効果が得られない可能性があります。まれなケースではありますが、治療選択前に可能な限りの原因究明が求められます。
図3:左喉頭片麻痺(左図:安静時内視鏡像、右図:喉頭部エコー検査像)披裂軟骨はわずかに動く程度で完全外転は不可。本症例はエコー検査で披裂軟骨の形成異常を認めた。
・軟口蓋背方変位(DDSP:Dorsal Displacement of the Soft Plate):呼吸時の喉頭蓋は通常、軟口蓋の背側に位置しています。食べ物を飲み込む際など嚥下のタイミングにおいて喉頭蓋は気管の蓋の役割を担い、軟口蓋は鼻腔側の蓋の役割を担います。嚥下後に元の状態に戻るタイミングが少しでもずれると、喉頭蓋が軟口蓋の下に潜り込んだDDSPの状態になります(図4)。なお、保定を行う際に鼻捻子を使用すると、若馬は頭の位置が高くなりがちになるため、一過性のDDSPを引き起こし易くなります。DDSP発症後、直ちに正常な状態に復するか否かがグレードの評価基準となります。また、若馬の喉頭蓋は成馬と比較して構造が虚弱であり、薄い、小さい、張りがないなどの所見を認めることがありますが、この様な喉頭蓋の形態異常(AE:Abnormalities of Epiglottis)を伴うとDDSPが発症しやすくなります。馬体の成長とともに喉頭蓋の形態も大きく堅固になるため、極端な場合を除きAEは競走能力に影響がないと考えられています。一方で、セール前の安静時内視鏡検査でDDSP所見を認めた馬は初出走までの期間が長くなることもわかっており、容易に発症し正常な状態に復しにくい馬に関しては馬体の成長を待ってからの出走が望まれます。
図4:軟口蓋背方変位(DDSP):喉頭蓋が軟口蓋の下に潜り込んだ状態
・喉頭蓋エントラップメント(EE:Epiglottic entrapment):喉頭蓋をその基部にある披裂喉頭蓋ヒダが覆う病態です(図5)。安静時内視鏡検査で認める場合がありますが、診断されるときは持続性であることがほとんどです。喉頭蓋の輪郭の先端が十分に描写されない、また覆っているヒダの粘膜が肥厚している状態であれば、喉頭蓋下粘膜もしくは喉頭蓋の変形につながる可能性もあることから、速やかな治療が推奨されます。外科的に喉頭蓋を覆っている披裂喉頭蓋ヒダを専用の器具で縦切開することでEEは治癒します。予後は比較的良好とされていますが、披裂喉頭蓋ヒダおよび喉頭蓋自体の病態に左右されるとの報告もあり、内視鏡での病態の評価に基づいた治療計画が求められます。
図5:喉頭蓋エントラップメント(EE):披裂喉頭蓋ヒダが喉頭蓋を覆った状態
咽喉頭部の異常所見はレポジトリーに向けた安静時の内視鏡検査で初めて発覚することも多いかと思います。成長著しい若馬の咽喉頭部の形態や機能は発達途中で、一部の異常所見は一過性のものであったり、成長とともに良化します。レントゲン検査同様に、レポジトリー検査の機会を愛馬の現状把握に役立てていただければ幸いです。
JRA日高育成牧場 業務課 瀬川晶子
1歳馬のセリシーズンを迎えるにあたり、「レポジトリー検査」に関して2号にわたりご紹介させていただきます。すでに広く浸透しておりますが、レポジトリーとは、馬のセリにおける上場馬の医療情報開示のことを示します。レポジトリーの活用により、外見上では判断できない情報、例えば骨・関節の状態をX線検査画像として、喉の状態を内視鏡動画として、それぞれ確認することが可能になります。
今回は骨・関節の状態確認の手段にあたるX線検査についてご紹介いたします。X線検査は何気なく行っているような印象をもたれがちですが、質の高い画像を撮影するためには注意しなければならないポイントがございます。
ポイント1:撮影の角度(照射角度)
レポジトリー画像撮影時に何度も撮り直す。そんな場面に遭遇したことはありませんか?剥離骨片を評価することの多い球節、軟骨疾患である離断性骨軟骨症(OCD)を評価することの多い飛節など、所見を正しく評価するためには関節面を重なりなく描出することが求められます(図1)。撮影器機の角度調整はもちろんですが、馬の駐立姿勢の微調整は質の高い画像撮影に不可欠です。馬の保定にご協力いただく際は、検査する肢がなるべく地面に対して垂直になるよう、また馬体が動かないように負重を促すなどサポートしていただけるとより円滑な撮影が可能になります。
図1:関節面が重なっていない像(左)と重なっている像(右)(球節)
ポイント2:画像のブレ
皆さんがX線検査を受ける身近な機会は、健康診断、はたまた歯科検診などでしょうか?「動かないでくださいね。」とはよく耳にするフレーズかと思います。X線画像検査において、馬のわずかな動きは検査画像の質を損なう原因となります。画像がブレてしまうと、軟骨疾患である骨嚢胞など白黒の階調の違いで評価する所見は途端に判別困難となります。後膝関節の屈曲外―内側像などは股の間にカセッテを差し込み、かつ検査肢を持ち上げて保定し、撮影を実施します。これらの部位は特に馬・カセット保持者・検査肢保定者の動きとブレやすくなる要素の多い撮影箇所であることから、息を合わせた撮影が求められます。馬の反応に合わせて、鎮静剤による化学的保定、鼻捻子による物理的保定を併用することで、人馬とも安全にかつブレの少ない撮影が可能となる場合があります。また、馬の呼吸のタイミングもわずかなブレにつながることもあり、撮影者はよくよく人馬の動きを観察して撮影を実施しています。
X線検査画像の撮り直しはわずらわしいかと思いますが、検査所見を正しく評価するためには、質の高い検査画像が必要となります。購買者が正しく評価できるX線検査画像の提出のため、上記のポイントも念頭にご協力いただければ幸いです。
レポジトリーに提出されるX線検査画像はどのように評価されているかご存じでしょうか?過去に実施した調査から、撮影部位によって好発しやすい所見が明らかにされており、その知見をもとに評価されています。画像を見る際は、好発部位の理解はもちろんですが、骨の輪郭をひとつずつなぞって確認することをおすすめします。剥離骨片などは比較的わかりやすく、関節面や骨の辺縁などに欠片のように描出されます(図2)。似たような所見として描出されるのが、骨の成熟する過程で生じる離断した骨軟骨片です(図3)。飛節、膝関節などの骨の辺縁、端を観察してみると所見が認められることがあります。これらの所見を保有していても症状を示さず、問題なく調教を進めることができる馬が多くいます。一方で、骨片・軟骨片保有部位の関節液が増加する、熱感を帯びるといった関節炎症状を示す場合には、跛行の原因となることもあります。レポジトリーでこれらの所見を認めた際は、実際の馬を見て、関節の腫れ・熱感や跛行などの症状の有無を確認するべきと思われます。欠片ではなく、X線透過領域(黒い色調)として描出されるのが、軟骨部の障害に起因する骨嚢胞です。辺縁でドーム状に認められるもの(図4)、関節面付近で丸く黒く抜けたように見えるもの(図5)があります。大腿骨内側顆は骨嚢胞の好発部位であり、嚢胞の大きさや位置により調教を進めていく過程での跛行のリスクが異なります。触診しづらい箇所でもあり、調教が始まるまでほとんど跛行しないため、レポジトリーでの検査所見の評価をあらかじめ実施しておくことで、歩様に違和感が生じた際の早期対応につながるかと思います。
図2:第1指骨近位の剥離骨片(辺縁は丸く陳旧性と思われる)
図3:大腿骨外側滑車稜の離断性骨軟骨片
図4:大腿骨内側顆に認められたドーム状の骨嚢胞(黒い窪みとして描出)
図5:球関節面に認められた球状の骨嚢胞
レポジトリーに提出されるX線検査画像は、骨・関節の状態を確認することができる有用な情報です。撮影された画像に何かしらの所見を認めることも少なくありませんが、これらの所見は必ずしも将来の跛行につながるわけではなく、臨床所見を伴うものでなければ競走能力に大きく影響を及ぼすものではないと考えております。また、万が一症状を認めた場合でも、早期発見・早期治療で改善を見込める所見もありますので、常に馬の状態を観察することが重要です。最後になりますが、愛馬の状態を確認するひとつのツールとして、レポジトリーのX線検査の機会を有効に活用していただければと思います。
日高育成牧場 業務課 瀬川晶子